p.14 抽出テキスト
マニュアルで推奨とされるインダクタンス法を用いた測定は,呼吸インダクタンスプレチスモグラフィ(RIP)とよばれる.全周囲にコイルが縫い付けられたRIP ベルトを胸腹部の2 ヵ所に装着し,2 つのセンサーから得られた信号の和(RIP sum)から1 回換気量を推定できるため,時間微分したもの(RIP flow)から気流を推定できるとされており,気流センサーの役割も果たすことが可能である. わが国の簡易モニターで呼吸運動センサーを実装している機器は少ないが,国際的には在宅検査という場合にこれを備えたもの(タイプ3)が標準的である. vi.末梢動脈波測定法(PAT)センサー トノメトリーの手法で指尖部の末梢動脈波を連続記録するPAT センサーとパルスオキシメータを組み合わせて呼吸イベントを判定することができる機器がある. vii.体位センサー 一般的には,5 方向(仰臥位,左右側臥位,腹臥位,立位)の体位を検出する.簡易モニターではセンサーとして必須とはされていないが,体位に依存して悪化するOSAの特徴を捉えることができるため,検査結果を解釈する際に役立つ. b.評価項目 AASM マニュアル29)において,簡易モニターを実施する際に報告すべきとされている指標を表8 に示す.簡易モニターでは実装されているセンサー類が機器により異なるため,機器の種類,気流センサー,呼吸運動センサーの種類についても言及すべきとされている. i. モニター時間(MT) PSG とは異なり,脳波により睡眠を判定することができないため,総記録時間(TRT)から明らかに覚醒と判断できる時間を除いたMT を呼吸イベント判定の対象とする. ii. 呼吸イベント指数(REI) 呼吸イベントの総数をMT で割ったものをREI とよぶ. PSG で算出されるAHI と考え方は同じで,従来は簡易モニターでもAHI としていたが,脳波による覚醒反応を判定できない分,低呼吸を過小評価し,睡眠と覚醒を判定できないために,MT がPSG の総睡眠時間(TST)よりは長くなり,REI はPSG のAHI より低値になることが多い.そのためPSG のAHI と区別する必要があることから簡易モニターではREI とよばれるようになった.保険診療下では簡易モニターによる診断であっても「無呼吸低呼吸指数」という言葉が用いられており,REI とAHI の区別があいま 図3 簡易モニターやPSG で実装される各種センサー