p.13 抽出テキスト
針により,検査機器がタイプ1 ~4 に分類されている28).わが国におけるタイプ1 検査は,監視下PSG,タイプ2 は非監視PSG と同義になる. また,米国を中心にOCST とよばれる在宅検査による診断が行われるようになったが,これに使用できる検査機器はタイプ2 とタイプ3 に限られている.わが国で簡易モニターとよぶ場合は,タイプ3 とタイプ4 を指す. 2.2.2 簡易モニター 簡易モニターはいびきや眠気などの自覚症状からOSAを疑った場合,あるいは循環器疾患に合併するSDB を疑った場合のスクリーニング検査となる.パルスオキシメータ以外の簡易モニターを用いた検査でSDB が非常に重症であり,かつ症状などからも典型的なOSA であると推測できる場合には,これをもって診断することもある.ただし,検査の実施にあたっては,睡眠脳波は記録されていないため,睡眠の質(睡眠深度や睡眠の分断)は判定できず,実際に寝ているかどうかも厳密には判定できないこと,在宅,非監視で行われるため,記録状態が保証されないことに留意する必要がある. パルスオキシメータのみの検査も簡易モニターとよばれる場合があるが,ほかの簡易モニターと異なり「携帯用装置を使用した場合」として「終夜睡眠ポリグラフィー」の診療報酬は請求できず,「終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定」として算定することに注意が必要である. a.センサー類(図3) 簡易モニターに実装されるセンサーは,表7 のタイプ3およびタイプ4 の項目に示されるように,気流,呼吸運動,脈拍,心電図,SpO2 といった項目を計測している.これに 加えてわが国の診療報酬の算定要件に記載されている気道音(いびき音)を記録するセンサーが追加され,機器によっては体位センサーなどのオプションを有するものもある. i.気流センサー 気流センサーには,圧センサーと温度センサーの2 種類がある.圧センサーは換気量と直線的ではないが相関があり,気流制限(フローリミテーション)を検出しやすいため,波形から呼吸イベントの存在を疑うことが可能である.低換気での感度が低く,低呼吸を無呼吸として過大評価する可能性がある.温度センサーは換気量とは相関せず,少しの気流でも感知するため,低呼吸を正常呼吸と過小評価する可能性がある.簡易モニターではどちらか一方を用いることが多いため,注意する必要がある. ii.いびき音センサー マイクロフォンやピエゾ素子によりいびきによる振動を電気信号とするが,気流センサーとして使用される圧センサーから信号を変換して記録するタイプもある. iii.パルスオキシメータ 経皮的にSpO2 を記録する.同時に脈拍数を検出することができる.ただし,末梢血管の循環不全などがあるときには検出不良となる.ノイズ信号の処理のために移動平均処理を行い,その平均値を記録している.移動平均時間が長いとノイズは少なくなるが,無呼吸によるSpO2 の変化に追従できなくなることがある.AASM マニュアルでは,心拍数80 回/ 分における移動平均時間が3 秒以下の機器が推奨されている. iv.心電図 簡易モニターでは心電図あるいは脈拍の記録が必要とされており,パルスオキシメータで検出する脈波から脈拍を算出しているものが多い.実際に心電図記録を追加できる機器もある. v.呼吸運動センサー 胸腹ベルトセンサーによる呼吸運動の測定には,インダクタンス法,PVDF フィルム法,ピエゾ法がある.AASM 表7 検査機器のType 分類(AASM,ATS,ACCP の3 学会合同指針) タイプチャンネル数検査項目(センサー)監視の有無 1 7 以上 脳波,眼電図,オトガイ筋筋電図,心電図か脈拍,気流,呼吸努力,酸素飽和度(SpO2)あり 2 7 以上 なし 3 4 以上2 つの呼吸変数(2 チャンネルの呼吸運動,あるいは呼吸運動と気流など),脈拍または心電図, SpO2 4 1 または2 SpO2 または気流 (Chesson AL Jr, et al. 2003 28)を参考に作表) 表6 AASM のガイドラインに基づく重症度分類 軽症:1 時間あたり呼吸イベントが5 以上15 未満 中等症:1 時間あたり呼吸イベントが15 以上30 未満 重症:1 時間あたり呼吸イベントが30 以上(Epstein LJ, et al. 2009 27)を参考に作表)