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p.11 抽出テキスト

間に症状が出現または増悪することを特徴とし,不眠の原因となる.RLS は鉄欠乏性貧血,末期腎臓病によく合併する.冠動脈疾患ではRLS 合併率は8.0% と比較的高頻度であり12),心不全においてもRLS 合併は14% にみられた13).

PLMS により睡眠障害をきたす疾患は周期性四肢運動障害(PLMD)であり,睡眠関連運動障害群に含まれる. PLMS はRLS 患者に高率に合併する.PLMS は睡眠中の交感神経活動を亢進し,血圧上昇や心拍増加をきたすことから,循環器疾患リスクとの関連を示唆する報告もある.

睡眠時間に関しては,短時間(5 ~6 時間未満)および長時間(8 ~9 時間超)の睡眠は,冠動脈疾患リスクおよび冠動脈疾患による死亡リスクと有意に関連し,長時間の睡眠は全循環器疾患リスクと関連することがメタ解析により報告されている14).ただし,主観的な睡眠時間の報告が多く,客観的な睡眠時間の報告は少ない.OSA やBMI ≧40 kg/m

2 の肥満および循環器疾患の既往を除いた,380,055 人の平

均11.1 年にわたる前向き研究では,質の悪い睡眠(不適切な睡眠時間・睡眠の時間帯や不眠,日中の眠気を含む)では,全死亡率,循環器疾患総死亡率,虚血性脳卒中死亡率と有意な関連がみられた15).さらに脳卒中を除くすべてのアウトカムに対する睡眠不足の悪影響は,身体活動レベ

ルが低いほど増幅された.循環器疾患ではSDB を含む睡眠障害を高率に合併する.ノンレム睡眠時には迷走神経の活動が高まり,心臓や末梢の交感神経活動が減少することにより安定した血圧と心拍数を維持することができる.一方,レム睡眠では自律神経活動が不安定なため,血圧や脈拍は変動し,その平均値はノンレム睡眠期より高い16).また,レム睡眠では筋活動が著しく抑制されるためノンレム睡眠時よりも上気道の虚脱が起こりやすく,OSA が重症化する場合も少なくない.実際に,レム睡眠中のSDB と高血圧や心血管イベントとの関連が報告されている17, 18). CSA はStage N3 よりも睡眠開始時や浅いノンレム睡眠期においてよくみられる.また,レム睡眠期は化学的感受性の鈍化した期間であり,CSA-CSR を含むCSA がしばしば改善する19).

RLS は冠動脈疾患12)や心不全13)のある患者の生活の質(QOL)悪化や不眠の重症化との関連が示されている.コホート研究におけるRLS 症状の頻度の層別化解析では, RLS 症状が連日(Wisconsin Sleep Cohort: WSC)

20)または

月15 日以上(Sleep Heart Health Study: SHHS) 21)あると循環器疾患の有病率の増加がみられた.RLS 患者におけるPLMS は,心拍数の上昇(約10%)および収縮期血圧(約22 mmHg)および拡張期血圧(約11 mmHg)の上昇をきたす22).1 時間あたりのPLMS 数が5 以上では,循環器疾患の発生率が約1.8 倍高かった23).急性非代償性心不全後に左室駆出率(LVEF)が低下した入院患者においては,SDB 重症度と独立して,重症PLMS の存在は臨床イベントの増加と有意に関連していた24). このようにSDB のみならず,RLS,PLMS などの睡眠障害や不眠および睡眠不足は心血管リスクとなり,循環器疾患患者の不眠やQOL 悪化との関連を示す報告が多い25, 26).したがって, SDB のみならず睡眠の評価やそのほかの睡眠障害のスク

表4 睡眠ステージの特徴

脳波眼電図筋電図の筋活動

覚醒(開眼)低振幅,高頻度,減弱するα活動瞬目,急速眼球運動(REMs)比較的高い覚醒(閉眼)低振幅,高頻度>50%α活動緩徐眼球運動比較的高いStage N1低振幅,混合頻度<50%α活動緩徐眼球運動覚醒時より低いStage N2睡眠紡錘波,K 複合があり,<20% 徐波活動覚醒時より低いStage N3 >20% 前頭優位の徐波活動通常低いStage R低振幅,混合頻度鋸歯状波(sawtooth wave)急速眼球運動の反復ノンレム睡眠中より低い顎筋電図の緊張低下(Geyer JD, Carney PR, eds. Atlas of polysomnography, third ed. Wolters Kluwer, 2018. 11)より)

表5 睡眠障害の分類

I. 不眠症II. 睡眠関連呼吸障害群III. 中枢性過眠症群IV.既日リズム障害・覚醒障害群V. 睡眠時随伴症群VI. 睡眠関連運動障害群VII.その他の睡眠障害(American Academy of Sleep Medicine. 2014 3)を参考に作表)