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低い患者さんでは,症状出現時の心電図を記録できる可能性は低くなります.

心臓カテーテル検査による冠攣縮誘発試験は,冠攣縮が生じたことを直接確認できるため,冠攣縮性狭心症の確定診断に有用な方法です.心臓カテーテル検査では,カテーテルという細い管を動脈に挿入して冠動脈の血管撮影(冠動脈造影)を行い,冠動脈に狭くなった部位(狭窄)がないかを観察します.次いで,冠動脈内に特殊な薬剤(アセチルコリンあるいはエルゴノビン)を注入し,冠動脈に攣縮が誘発されるか否かを観察します(図19).冠攣縮誘発試験にて冠動脈に一過性の完全閉塞や亜完全閉塞が生じて,いつもと同じ胸部症状が出現し,心電図に虚血所見が認められると,冠攣縮性狭心症と確定診断できます.なお,誘発された冠攣縮の多くは数分以内に消失します.症状出現時の心筋虚血が心電図で確認されている場合には,心臓カテーテル検査で冠動脈に狭窄がないことを確認するだけで診断することもあります.

冠攣縮性狭心症の治療は,どのように行いますか?

冠攣縮性狭心症と診断されたら,発作予防のためCa拮抗薬という冠攣縮を抑制する薬を内服します.また,胸痛出現時にはニトログリセリンを舌下に入れて溶かすと速やかに症状は軽快します.基本的に,Ca拮抗薬による冠攣縮予防は医師の指示により継続します.内服の急な中断により症状の悪化(リバウンド)を生じることがあるため,注意を要します.通常量の治療でも発作が生じる場合には,Ca拮抗薬の増量や長時間作用型硝酸薬の追加などが必要になります.完全に発作を抑制するために3~4種類の薬を併用しなければならないこともあります.また,冠攣縮は多量飲酒後の夜間や翌日早朝に生じやすくなるため,過度の飲酒を避けることや,飲酒時に薬の内服を忘れないことが大切です.喫煙は冠攣縮の重要な危険因子であり,禁煙も発作予防のために重要になります.

微小血管狭心症とは,どのような病気ですか?

心臓の周囲にある太い冠動脈には狭窄や攣縮がみられないにもかかわらず,胸痛とそれに伴う心筋虚血が起こるのが,「微小血管狭心症」です.微小血管狭心症は,冠微小血管の拡張反応

図19 冠攣縮誘発試験による冠動脈造影の見え方A:冠動脈造影にて右冠動脈に狭くなった部位(狭窄:きょうさく)は認めない. B: 冠攣縮誘発試験を行うと胸痛が生じ心電図に虚血所見が出現した.冠動脈造影にて右冠動脈近位部に完全閉塞を認め血流は途絶した. C:写真Bの説明.2分後には胸痛は治まり心電図も正常化,冠攣縮は消失し写真Aの所見に戻った.

A B C

攣縮(れんしゅく,スパスム)の部位

血液の流れがストップしている

Q4

Q5