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冠攣縮性狭心症とは,どのような病気ですか?

「狭心症」は,心臓に栄養を供給する動脈(冠動脈)の血流が低下して心臓の筋肉(心筋)に十分な酸素が供給されなくなり(心筋虚血),胸が苦しくなる病気です.「労作性狭心症」は,冠動脈に動脈硬化によって著しく狭くなった部位(狭窄:きょうさく)があると,急いで歩いたり階段を昇ったりなどの運動(労作)時に,心筋に十分な酸素が供給されなくなるために心筋虚血を生じ,胸が苦しくなる病気です.「冠攣縮性狭心症」は,冠動脈が一時的に過度に収縮(攣縮:れんしゅく[スパスム])をきたすために著しく血流が低下し,心筋虚血を生じる病気です.冠攣縮性狭心症は労作性狭心症とは異なり,運動中ではなく安静時に生じやすく,おもに夜間就眠中から早朝の安静時に胸が苦しくなります.

冠攣縮性狭心症では,どのような症状が生じますか?

冠攣縮性狭心症の症状は,胸が圧迫される感じ,詰まる感じ,締め付けられる感じなどが多く,激しい胸の痛みで冷汗を伴うこともあれば,漠然とした胸の違和感くらいに弱い症状のこともあります.痛みは前胸部を中心に生じますが,奥歯や顎,左肩から左腕に及ぶこともあります.痛みは数分ほど持続することが多く,ニトログリセリンの舌下(舌の下に入れて溶かします)で速やかに消失します.胸痛を自覚した後に一時的に意識を失うこともあります(失神).冠攣縮が長く持続すると心筋梗塞を発症することもあり,またきわめてまれに突然死に至ることがあります.

これらの症状は冠動脈が攣縮を起こしやすい夜間就眠中から早朝起床後の安静時に生じることが多いものの,日中の安静時にも生じることがあります.労作性狭心症は体を動かしたときに生じますが,冠攣縮性狭心症は安静時に生じるのが特徴です.また冠攣縮性狭心症では早朝のみにごく軽い労作により,例えば起床後にトイレに行った時や,朝外に出て冷たい空気を吸った時などに生じることもあります.

冠攣縮性狭心症の診断は,どのように行いますか?

冠攣縮性狭心症の診断には症状の問診が一番の決め手になりますので,自覚症状を医師に詳しく伝えていただくことがもっとも重要になります.夜間から早朝にかけての安静時に胸痛を生じたときに12誘導心電図をとり,心筋虚血に特徴的な心電図所見が認められれば診断は確定します.しかし夜間から早朝の症状出現時に12誘導心電図をとることができるのは入院中に限られるため,症状出現時に心電図を記録するのは容易ではありません.24時間心電図を記録するホルター心電図検査を行った場合には,毎日のように症状が出現する患者さんでは症状出現時の心電図を記録できる可能性が高くなりますが,1ヵ月から数ヵ月に1回など症状の頻度が

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Q3第5章 市民・患者への情報提供