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p.50 抽出テキスト

性の問題により現実的には困難である.その他の問題点として,星状神経節ブロックにおける麻酔薬の投与量509),胸部交感神経節切除は両側において施行するのか,またその効果がいつまで持続するのか510),などがある.

現在のところ,冠攣縮性狭心症においては,禁煙や精神的ストレスの解除など生活習慣の厳格な管理に加え,種類の異なる複数の冠拡張剤を確実に内服しているにもかかわらず,1 ICDの頻回作動を含む致死的かつ重大な発作が生じた場合,2 狭心症の発作が交感神経亢進と関連しているとき(日中に頻繁に起こり,ストレスや身体活動により誘発される)に高頻度に生じる場合,非薬物治療の1つとして星状神経節ブロック・胸部交感神経節切除術を考慮してもよい(表26) 503, 505, 508).

ンの改善により,難治性あるいは重症冠攣縮性狭心症に合併する致死的不整脈を抑制する可能性を有する500–502).

星状神経節ブロックや胸部交感神経節切除術が難治性あるいは重症冠攣縮性狭心症における有用性を示した現在までの報告の多くは症例報告であり503–507),ランダム化された試験は単施設での少数例の試験しかない508).冠攣縮に対する胸部交感神経節切除術の効果を検討した唯一の前向きランダム化試験508)では,79人の薬剤抵抗性の冠攣縮性狭心症患者を胸腔鏡下での胸部交感神経節切除群と薬物療法群の2群にランダムに割り付けた.24ヵ月間での主要心血管イベントの発生率は,胸部交感神経節切除群16.2%,薬物療法群61.9%と有意に胸部交感神経節切除群で低率であった(P=0.0001).全死亡は胸部交感神経節切除群0%,薬物療法群14.2%であった(P=0.0001).この試験では冠攣縮発作時にST上昇を認めるものが60%,致死性不整脈を認めるものが50%と高リスクの患者が組み入れ対象となっている.

星状神経節ブロックおよび胸部交感神経節切除術の問題点として,治療効果にプラセボ効果が含まれている可能性が否定できないことが挙げられる509).この問題を解決するにはSham群を用いた対照研究が必要であるが,難治性あるいは致死的な心事故の既往を有する重症冠攣縮性狭心症患者のSham群を用いた研究は,症例数の確保や安全表26 難治性・重症冠攣縮性狭心症に対する星状神経節

ブロック・胸部交感神経節切除術の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

難治性・重症冠攣縮性狭心症に対して,星状神経節ブロック・胸部交感神経節切除術を考慮してもよい503, 505, 508)(いずれもわが国では保険適用外). IIb C

図18 星状神経節ブロック・胸部交感神経節切除術の冠攣縮に及ぼす機序

ブロック

ノルアドレナリン放出抑制セロトニン遊離抑制

冠動脈収縮抑制心筋酸素需要低下

除痛効果

心拍数低下収縮期血圧低下

感覚神経

交感神経

感覚神経

交感神経