p.34 抽出テキスト
的病変の関与が疑われる場合,OCTでの観察が考慮される.また,器質的な病変を認めない症例であっても,中膜の肥厚341, 342)やそれに伴う内膜の盛り上がり(intimal bump)や歪な血管内腔形態を認めることが明らかにされた343, 344)(図13).さらに,内膜の盛り上がりが存在することにより生じる血管内腔の複雑性をshoreline development indexで求め,誘発せずに攣縮部位を見つけようとする試みもなされている343). a. OCTからみた冠攣縮性狭心症の機序 冠攣縮前後にて内膜面積に変化は生じないものの,中膜の面積や厚さに有意な増加が認められる341, 342).また,冠攣縮性狭心症患者では,無症候時にも血管収縮が起き,内 ク角などの動脈硬化病変の各指標は,冠攣縮性狭心症がない症例と比較し有意差を認めないが,石灰化病変は少ないと報告されている327, 330).IVUS画像のシグナル処理によりプラーク内の組織性状を4色に分類するvirtual histology-IVUS(VH-IVUS)を用いた研究で,誘発試験を行った狭心症では冠攣縮の有無で組織性状に差がないと報告されている332). 3.1.2 OCT OCTは冠動脈壁を内膜,中膜,外膜の三層構造として描出でき,冠攣縮性狭心症においては内膜や中膜といった単位で,発作前後の変化を解析することが可能である. OCTが日常臨床で利用可能となった2010年以降,冠攣縮性狭心症の詳細な形態学的特徴について多くの知見が報告されてきた.冠動脈造影では有意狭窄を認めない冠攣縮性狭心症患者の攣縮部をOCTで観察すると,半数以上の症例で器質的な病変を認めることが明らかとなった36).その病変形態は多種にわたり,層状プラーク(layered plaque) 333–335),内膜裂孔(intimal tear) 36),血栓37, 336),冠動脈解離337, 338),マクロファージの集積339),血管壁内血管(vasa vasorum, intraplaque neovessels) 340)等が報告されている(表13 36, 37, 325–345),図12).そのため,OCTの操作および読影に習熟した施設において,血管内膜・中膜の器質表13 冠攣縮が疑われる患者におけるIVUS/OCT の 推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 冠攣縮が疑われる患者に対してIVUS 325–327, 330, 332)/OCT 36, 37, 333–340) を用いた冠攣縮部の動脈硬化病変の有無の観察を考慮してもよい. IIb C冠攣縮が疑われる患者に対してIVUS 327–331) /OCT 341–345) を用いた冠攣縮の機序に関する検索を考慮してもよい. IIb C 層状プラーク血栓 冠動脈解離内膜裂孔 マクロファージ集積血管壁内血管 1mm 1mm 1mm 1mm 1mm 1mm 図12 冠攣縮部位におけるOCT 像(和歌山県立医科大学 循環器内科教室 提供)