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試験を行うことが推奨されている101, 102).しかし,「第2章 3 冠微小血管攣縮」の診断の項にも記載しているが,冠微 小血管機能評価を行う際に使用する抵抗血管を最大に拡張するための薬剤が,その後の冠攣縮誘発に影響を及ぼす可能性があり,わが国では冠攣縮誘発試験が先に行われることが一般的となっている143).より最適な診断法および診断手順の確立に向けて,引き続き研究が必要である. 3 腫瘍循環器(Onco-Cardiology) 3.1 がん治療による血管障害と冠攣縮性狭心症 従来の殺細胞性の抗がん剤に加えて新しい分子標的薬,免疫チェックポイント阻害薬を含めたがん治療の進歩により,がん患者の生存率や生存期間の大幅な改善がもたらされた.一方,これらの抗がん剤の中には循環器疾患を引き起こす可能性のある薬剤も含まれ,高血圧,不整脈,心不全,弁膜症,虚血性心疾患,静脈血栓症などさまざまな循環器疾患の合併が報告されている.虚血性心疾患においても機能的な異常である冠攣縮性狭心症,器質的な動脈硬化性冠疾患,血栓塞栓症による急性心筋梗塞とさまざまな病態をきたしうる.抗がん剤による心毒性には器質的・構造的障害と一過性の機能障害があるが,血管に対する毒性も2つに分けられる.年月をかけて構造変化をもたらす 表6 INOCA の診断における各種検査の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 狭心症を有し,心筋虚血が示されているが心外膜冠動脈に有意狭窄を認めない症例において,冠動脈造影検査時に冠微小血管攣縮の有無を確認するために薬物誘発試験を行うことを考慮する10). IIa C狭心症を有し,心筋虚血が示されているが心外膜冠動脈に有意狭窄を認めない症例において,ガイドワイヤーを用いたCFRやIMR の評価を考慮する3, 11, 90, 170, 171). IIa B狭心症を有し,心筋虚血が示されているが心外膜冠動脈に有意狭窄を認めない症例において,経胸壁心エコーによる左前下行枝のドプラ血流を用いたCFR の評価を考慮してもよい184, 185). IIb B 2.5.3 侵襲的な評価法の手順(図7) 狭心症を有し,他覚的検査で心筋虚血が証明されている症例で,心臓CT検査や冠動脈造影検査により心外膜冠動脈に有意狭窄病変を認めない症例はINOCAが疑われる.冠動脈造影検査が行われた場合,引き続き冠攣縮誘発試験と,ガイドワイヤーを用いた冠微小血管機能の評価により,成因(endotype)を明らかにする. 冠攣縮誘発試験と冠微小血管機能評価のどちらを先に行うかについては,欧米では INOCA の診断手順として, CFR,IMR 計測を先行し,その後にアセチルコリン誘発 図7侵襲的な評価法によりINOCA の成因(endotype)を明らかにする手順 冠攣縮誘発試験 心外膜冠動脈に攣縮(+)両検査ともに陰性心外膜冠動脈に攣縮(ー)心筋虚血を疑う症状・心電図変化(+) (冠静脈洞の乳酸値の上昇) CFR 2.0未満 IMR 25以上 ガイドワイヤーを用いた 冠微小循環評価 冠攣縮性狭心症(VSA/CSA)微小血管攣縮 (MVS)冠微小循環障害 (CMD)心臓由来の症状の 可能性は低い INOCAが疑われる症例 心臓CT検査や冠動脈造影検査により 心外膜冠動脈に有意狭窄なし