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が,心原性ショック,心電図でのST上昇はMI-CADよりもMINOCAにおいて院内死亡との強い関連を認めた44).一方,冠攣縮は院内死亡の有意な予測因子ではなく48),むしろ低リスクであるとの報告もある51).MINOCAにおける遠隔期の予後不良因子として加齢,男性,非典型的な胸部症状,喫煙歴,心原性ショック,糖尿病,心不全,脳卒中の既往,末梢動脈疾患,癌,慢性肺疾患,心房細動,慢性腎臓病などが指摘されている48, 49).一方,ACE阻害薬・ARBやスタチンの服用は全死亡や主要心血管イベントのリスク低減因子であることが報告されており45, 48),さらにサブグループ解析にて年齢とACE阻害薬・ARBとの間に交互作用を認めており,70歳以上のMINOCAで,主要心血管イベントリスクの低下が報告されている(70歳未満: ハザード比[HR] 0.96, 95%CI 0.80~1.15, 70歳以上: HR 0.74, 95%CI 0.63 ~0.87) 45). 1.3 診断 MINOCAにおける冠攣縮の診断は,1.3.1 MINOCAの診断,および1.3.2 MINOCAの原因としての冠攣縮の診断からなる(図3). の関与が想定されるが,さらなるエビデンスの確立に向け,今後の研究が待たれる. MI-CADと比較したMINOCAの院内および遠隔期の全死亡率について表3 43–53) にまとめた.2015年に報告されたメタ解析43)では,MINOCAの院内全死亡率は1.1%,MI- CADは3.2%と,MINOCAの院内予後は良好であり,12ヵ月後においてもMINOCAの全死亡率(3.5%)は,MI-CAD (6.7%)に比し有意に低かった(オッズ比[OR]0.59, 95%CI 0.41~0.83).2021 年に報告されたメタ解析52) でもMINOCAの院内全死亡率は0.7%,MI-CADは2.2%と, MINOCAの院内予後は良好であり,12ヵ月後においてもMINOCAの全死亡率(3.3%)は,MI-CAD(5.6%)に比し有意に低かった(OR 0.60, 95% CI 0.5~0.7).また12ヵ月後の心血管死,再梗塞においてもMI-CADに比べてMINOCAは有意に低かったが(OR 0.40, 95%CI 0.2~0.7, OR 0.48, 95%CI 0.3~0.9),心不全増悪においては有意差を認めなかった.その他にもMINOCAの予後は良好であるとの報告は多いものの44, 49, 50, 69),ほとんど予後に差がない48),あるいはMINOCAの予後は不良であるとの報告もあり51),今後さらなる疫学調査が必要である.またMINOCAの院内死亡の予測因子についてはMI-CADと共通している 図3 MINOCA における冠攣縮の診断フローチャート*心筋梗塞の最終診断が得られていない場合は,TP-NOCAのworking diagnosisとして心筋傷害を生じる他疾患を除外する.斜体文字は鑑別診断に有用な検査. 心筋傷害を生じる 他疾患の除外 冠動脈造影上閉塞性病変の除外 MINOCAを生じる 他疾患の除外 IVUS/OCT血管内視鏡 心臓MRI 心筋梗塞の診断 冠攣縮の診断 MINOCAの診断* ・冠攣縮の証明(自然発作,誘発試験) ・非閉塞性(狭窄率<50%)冠動脈・心臓疾患(心筋炎,たこつぼ症候群など)・非心臓疾患(敗血症,肺血栓塞栓症など) ・閉塞性冠動脈疾患を有する心筋梗塞(MI-CAD) ・動脈硬化性冠動脈疾患(プラーク破綻・びらん)・非動脈硬化性冠動脈疾患(SCAD,冠動脈塞栓症など)・非冠動脈疾患(持続性頻脈,高度貧血など) * ・心筋トロポニンが健常人の99パーセンタイル値を超える一過性の上昇・下降・心筋虚血の根拠となる症状,心電図変化,画像所見