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冠動脈疾患とはどのような病気ですか? 「冠動脈」は心臓に酸素や栄養を送る動脈(血管)のことです.この冠動脈の壁の内側にLDLコレステロール(LDL-C,いわゆる悪玉コレステロール)や血のかたまり(血栓)がたまり,血管が狭くなったり詰まったりすると,心臓の収縮を担当する筋肉(心筋)が酸素不足となり,その働きが弱まるようになります.おおまかに心臓の血管(冠動脈)が急激に閉塞した状態を「心筋梗塞」,血管が狭くなり,血流が一時的に不十分となる状態を「狭心症」と呼びます.そして,冠動脈にこのような障害が起こった状況を総合的に「冠動脈疾患」と呼びます.心臓は眠っている間も休まず全身に血液を循環させている重要な臓器ですので,冠動脈疾患になり心臓の働きが脅かされると,命にかかわることがあります. 1.1 冠動脈疾患(心筋梗塞,狭心症)の症状 心筋梗塞や狭心症では,心臓の筋肉が酸素不足となるため,胸の中心付近が圧迫され締め付けるような強い痛みを感じるのが典型的な症状ですが,みぞおちのあたりに漠然とした痛みを感じることや,のどやあご,左肩や左腕,背中,歯が痛む場合もあります.心臓の血管が狭くなった状態(狭心症)では血流がある程度自然に回復するため,多くは数分(長くても15分以内)安静にしていると痛みが治まります.しかし,適切な治療をしないと再発・進行します.一方,心筋梗塞は血流が完全に途絶えるため,詰まった瞬間から20分以上症状が続くのが特徴です. 冠動脈疾患は,急速に(分単位で)息苦しさや血圧低下(ショック)など命にかかわる危険な状態に進行することがあります.また,突然死の原因として,わが国で最も多いのが冠動脈疾患です. 1.2 予防の重要さ 医学の発展により,発症後速やかに適切な治療を受けることで冠動脈疾患の救命率は改善しています.しかし,再発予防のため生涯にわたり通院治療を続ける必要があります.したがって,まず冠動脈疾患を発症しないように予防することが重要です.(予防については,「Q2冠動脈疾患は,どのような人がなりやすいのですか?」を参照してください) 冠動脈疾患は,どのような人がなりやすいのですか? 医学的に確立している冠動脈疾患を発症しやすくする要因(危険因子)には,高血圧,糖尿病,脂質異常症(高コレステロール血症など),肥満,喫煙などがあります.また,年齢を重ねると冠動脈疾患発症の可能性も高くなること,男性は女性よりも冠動脈疾患を発症しやすいことも知られています.ただ,閉経後は女性も男性と同等に発症しやすくなります.日本人女性 Q1 Q2第5章 市民・患者への情報提供