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p.66 抽出テキスト

5.4 糖代謝異常・糖尿病(表36)

肥満と関連が強い小児期発症の2型糖尿病は世界的に増加している752).学校検尿システムを用いたユニバーサルスクリーニングによれば,東京都では1974年からの20年間に,肥満傾向児の増加に伴い2型糖尿病の小児も3倍以

2019年に東京都杉並区の2,630人の小学生に行われた新しい小児生活習慣病予防健診の結果によれば,有所見者の割合は,高血圧1.7%,脂質異常症8.2%,HbA1c高値2.1%,腹部肥満11.9%と,腹部肥満が最も高頻度であった751).

CAD予防のためには,小児期からの肥満症・メタボリックシンドローム対策が重要である.

表34 小児肥満症の診断基準

肥満小児の定義肥満度が+20%以上,かつ有意に体脂肪率が増加した状態. *有意な体脂肪率の増加とは男児:年齢を問わず25%以上 女児:11歳未満は30%以上,11歳以上は35%以上

肥満症の定義肥満に起因ないし関連する健康障害(医学的異常)を合併するか,その合併が予測される場合で,医学的に肥満を軽減する必要がある状態をいい,疾患単位として取り扱う.適用年齢6歳0ヶ月から18歳未満

肥満症診断(1)A項目を1つ以上有するもの(2)肥満度が+50%以上でB項目の1つ以上を満たすもの(3)肥満度が+50%未満でB項目の2つ以上を満たすもの

(参考項目は2つ以上で,B項目1つと同等とする)

診断基準に含まれる肥満に伴う健康障害A項目: 1)高血圧2)睡眠時無呼吸症候群など換気障害3)2型糖尿病・耐糖能障害4)内臓脂肪型肥満5)早期動脈硬化B項目: 1)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) 2)高インスリン血症 かつ/または 黒色表皮症3)高TC血症 かつ/または 高 non HDL-C血症4)高TG血症 かつ/または 低 HDL-C血症5)高尿酸血症参考項目1)皮膚線条などの皮膚所見2)肥満に起因する運動器機能障害3)月経異常4)肥満に起因する不登校,いじめ等5)低出生体重児または高出生体重児* 診断に必要な健康障害の具体的なカットオフ値は,日本

肥満学会HPの表C小児肥満症の診断に必要な健康障害の補足 を参照のこと. http://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/ pediatricobesityguidelines2017_chart_C.pdf

(日本肥満学会, 小児肥満症診療ガイドライン2017. 2017 747)より改変)

表35 わが国のメタボリックシンドロームの診断基準(成人と小児の比較)

成  人小  児8 学会合同委員会(2005 年)厚生労働科学研究(2007 年)

1) ウエスト周囲長≧85 cm(男性) ≧90 cm(女性) ≧80 cm(男女とも)注)腹囲身長比が 0.5 以上小学生では 75 cm 以上あれば基準を満たす2)血清脂質中性脂肪≧150 mg/dLかつ/またはHDLコレステロール<40 mg/dL中性脂肪≧120 mg/dLかつ/またはHDLコレステロール<40 mg/dL 3)血  圧収縮期血圧≧130 mmHgかつ/または拡張期血圧≧85 mmHg収縮期血圧≧125 mmHgかつ/または拡張期血圧≧70 mmHg 4)空腹時血糖≧110 mg/dL ≧100 mg/dL 1)を必須項目として,2),3),4)のうち2つ以上が集積している場合にメタボリックシンドロームと診断する(メタボリックシンドロームの定義と診断基準. 2005

231), 小児期のメタボリック症候群の概念・病態・診断基準の確立および効果的介入に関するコホート研究平成17年度 総合研究報告書. 2006

748)より作表)