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p.60 抽出テキスト

高くなることを示している692).

しかし,GFRによる腎機能低下の程度評価と比較し,アルブミン尿・蛋白尿を用いた糸球体構造異常に基づく腎障害の程度評価は,腎臓専門医以外の臨床の現場ではいまだ一般化していないのが現状である.しかし,CKDの診断とCKDの重症度評価(CVDとESKDのリスク評価)のためには両者の測定評価が必要不可欠である705).

また,腎障害の程度評価におけるアルブミン尿・蛋白尿の測定は,KDIGOガイドラインでは,随時尿を用いて尿アルブミン定量(UACR[尿アルブミン/Cr比],mg/gCr)を算出して行うことが推奨されており,比較的簡便で妥当性の高い測定値が得られる.国内の場合,アルブミン尿・蛋白尿の評価にあたっては,現行の保険適用では,糖尿病患者に対して「糖尿病または糖尿病性早期腎症患者であって微量アルブミン尿を疑うもの(糖尿病性腎症第1期または第2期のものに限る)に対して行った場合に,3カ月に1

的異常の指標として注目を集めており,両者はともにESKDのみならずCVDの独立した危険因子となることが示されている(アルブミン尿・蛋白尿が高度なほど,またGFRが低下しているほどリスクが高くなり,そして両者が合併するとリスクは相加的に高くなる).

そのために,KDIGO(国際腎臓病予後改善委員会)によるKDIGO 2012 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease 704),日本腎臓学会のエビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018 692)でも,原疾患(Cause: C),腎機能(GFR: G),蛋白尿(アルブミン尿: A)の組み合わせによりESKDのみならずCVDのリスクを評価するCKD-CGA重症度分類が使用されている(表30).CKD-CGA重症度分類では,色分け表示によりESKD,CVD,全死亡のリスクを表し,緑は基準としてリスクが最も低い状態を示し,黄,オレンジ,赤となるほどESKD,CVD,全死亡のリスクが

表30 CKD-CGA 重症度分類

原疾患蛋白尿区分A1 A2 A3

糖尿病尿アルブミン定量

(mg/日)尿アルブミン/Cr比

(mg/gCr)正常微量アルブミン尿顕性アルブミン尿

30未満30~299 300以上

高血圧腎炎多発性囊胞腎移植腎不明その他尿蛋白定量

(g/日)尿蛋白/Cr 比(g/gCr)正常軽度蛋白尿高度蛋白尿

0.15未満0.15~0.49 0.50以上

GFR区分(mL/分/1.73 m2) G1正常または高値≧90

G2正常または軽度低下60~89 G3a軽度~中等度低下45~59 G3b中等度~高度低下30~44

G4高度低下15~29

G5末期腎不全(ESKD) <15

重症度は原疾患・GFR区分・蛋白尿区分を合わせたステージにより評価する.CKDの重症度は死亡,末期腎不全,心血管死発症のリスクを緑のステージを基準に,黄,オレンジ,赤の順にステージが上昇するほどリスクは上昇する (KDIGO CKD guideline 2012を日本人用に改変).注:わが国の保険診療では,アルブミン尿の定量測定は,糖尿病または糖尿病性早期腎症であって微量アルブミン尿を疑う患者に対し,3カ月に1回に限り認められている.糖尿病において尿定性で1+以上の明らかな尿蛋白を認める場合の尿アルブミン測定は保険で認められていないため,治療効果を評価するために定量検査を行う場合は尿蛋白定量を検討する. (日本腎臓学会CKDガイドライン改訂委員会. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018. 2018 692)より)