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p.57 抽出テキスト

に到達しない患者はホモ接合体の可能性を考え,速やかに専門医に紹介すべきである.

3.4.4 LDLアフェレシス

FHヘテロ接合体では,CAD二次予防患者でかつ生活習慣の改善と厳格な薬物療法でも総コレステロール値が250 mg/dL以下に低下しない場合にLDLアフェレシスを考慮し,専門医に紹介する.

3.5 FHホモ接合体の治療(図8)

39)

3.5.1 LDL-C管理目標値

FHホモ接合体のCAD発症リスクはヘテロ接合体よりもさらに高いため,できるかぎり速やかにLDL-C値を低下させる積極的治療が求められる.一次予防のLDL-C管理目標値は100 mg/dL未満,二次予防の管理目標値は70 mg/dL未満であるが,達成できないことも多い.なお, FHホモ接合体を疑う場合は専門医に紹介または相談することが望ましい.

3.5.2 生活習慣の改善

FHホモ接合体でも適正体重の維持や禁煙,食生活の改善などは治療の基本である.運動療法については,CADや弁膜症(特に大動脈弁狭窄や弁上狭窄),大動脈瘤をすでに有している場合もあるため開始前にスクリーニングを

FHを対象に脂質低下治療を行わない臨床試験の実施は倫理的に困難であり,上記の管理目標値の設定に明確なエビデンスはなく,管理目標値達成によりイベントが起こらないことを保証するものでもない.

3.4.2 生活習慣の改善

FHにおいても適正体重の維持や禁煙,食生活の改善などは重要である.運動療法については,開始前に動脈硬化のスクリーニングをすべきである.

3.4.3 薬物療法

FHヘテロ接合体患者では生活習慣の改善のみでLDL-C管理目標値に到達することは困難なため,診断と同時に薬物療法を開始する.第一選択薬はスタチンである.日本で行われたFHヘテロ接合体患者329人の後ろ向き研究で,スタチンはCADの発症を遅らせることが報告された672).通常用量のスタチンで十分な効果を得られない場合には最大耐用量のスタチンおよびエゼチミブを用いる.それでも効果不十分な場合にはPCSK9阻害薬,陰イオン交換樹脂(レジン),プロブコールなどを用いる.スタチン最大耐用量(+エゼチミブ)で治療中のFHヘテロ接合体にPCSK9阻害薬を追加することにより,約60%のLDL-C低下効果が認められることが報告されている683, 684).なお,スタチン不耐のFHヘテロ接合体患者に対するPCSK9阻害薬のLDL-C低下効果は約35%である685).通常の脂質低下療法に加えてPCSK9阻害薬を使用してもLDL-Cが管理目標値

FHホモ接合体の診断(必ず専門医に相談すること)

生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質低下療法を開始する(LDL-C管理目標値 一次予防:100 mg/dL未満,二次予防:70 mg/dL未満)

第一選択薬:スタチンを速やかに最大耐用量まで増量

効果不十分

エゼチミブ・PCSK9阻害薬・MTP阻害薬・レジン・プロブコール追加

(多剤併用可能) and/or可及的速やかなLDLアフェレシスの導入

図8成人(15 歳以上)家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体治療のフローチャート(日本動脈硬化学会.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版. 2022 39)より)