p.38 抽出テキスト
亡354–357),心血管疾患死354–357),CAD 354, 358),心血管疾患354, 359)の発症を抑制している.玄米の効果については,動脈硬化性疾患発症への効果をみた大規模研究はなく,血清脂質に及ぼす影響も一定していない360, 361).一方,水溶性食物繊維が豊富な大麦やオーツ麦の摂取は,血清脂質を改善する362–364).またソバの摂取は,コホート研究のメタ解析で血糖値,TC, TGの低下に関連していた365). なお,食事のglycemic indexやglycemic loadは食後血糖値に影響するが,総死亡,心血管疾患発症とそのリスク因子に対する効果は一定せず,明確な結果が得られていない366). 2)野菜・果物 欧米やわが国のコホート研究のメタ解析では,野菜あるいは果物,あるいは両者をあわせた摂取は用量依存的に総死亡,CAD発症,脳卒中発症,あるいは2型糖尿病発症リスクを低下させている367–376).野菜・果物については,動脈硬化性疾患の発症予防のために積極的に摂取するが,TGと尿酸(果糖はリン酸化に際してATPを消費しプリン分解が亢進する) 377)の上昇の可能性を考慮し,果物の過剰摂取は控える.加えて野菜は漬物による食塩摂取量増加に注意する378, 379).なお果物については,缶詰の摂取で総死亡や心血管疾患死亡が増加することが報告されていることから354, 362),新鮮な果物を摂取することが望ましい. 3)海藻 海藻は,食物繊維,ビタミンやミネラルを含み,日本食の中で習慣的に摂取されている.海藻を含む日本食パターンが総死亡や心血管疾患死亡リスクを低下させるとする報告380–383)や,海藻をほぼ毎日摂取する群はほとんど摂取しない群に比較してCADの発症リスクが減少した(男性24%,女性44%減少)ものの,海藻摂取と脳卒中リスクとの間に関連はなかったとする報告(日本人対象のコホート研究)もある384).一方, CADの死亡リスク385),あるいはCAD発症リスクに有意な減少はなかった386)とする報告もある.いずれも観察研究によるものであり,結論として,海藻摂取はCADや脳血管疾患の発症や死亡を抑制する可能性はあるが,その結果は一定していない.なお,海藻はヨウ素を高濃度に含むこと,ヒ素含有量の高いものがあることから,過剰摂取(ヨウ素は甲状腺機能低下症や甲状腺腫を起こす可能性)に留意する必要がある. hyper-responderで有意にLDL-Cを増加させ,hyporesponderでは有意でなかった331).糖尿病患者に限ると,鶏卵の摂取が多い群で心血管疾患,特にCADの発症または死亡が増加するというコホート研究やそのメタ解析がある332–336).したがって,高LDL-C血症,また糖尿病患者では制限を考慮すること,健常人でもコレステロール摂取量が増加すればLDL-Cが上昇することから,過剰摂取は控えることが望まれる. 2)魚卵,子持ち魚や小魚あるいは内臓類(レバーやモツ)などはコレステロールが多いので,摂り過ぎないように注意する. 3)鶏肉でも,常用量では鶏もも(肉)は鶏むね(肉)よりコレステロール含量が多い.また鶏皮も常用量ではSFAだけでなくコレステロールも多く含むため,皮付きは避ける. 5.5 食物繊維 食物繊維は穀物,野菜,果物,海藻などに含まれ,水溶性と不溶性に区別される.胃内停留時間を延長させることにより,血糖やTGの急な上昇を抑制し,満腹感を保たせて過食を抑制することが期待できる.また排便促進作用が期待でき,コレステロール吸収抑制や胆汁酸合成促進などの作用がある337, 338).日本人のコホート研究では,水溶性,不溶性,総食物繊維の摂取はいずれも男女それぞれに心血管疾患死亡リスクと負の関係であった339).また海外も含めたコホート研究のメタ解析では,総死亡340–343),心血管疾患死亡341–344),心血管疾患発症343, 345),CAD発症343, 345),脳卒中発症343, 346–348)のリスク低下が認められている.したがって,食物繊維の摂取は総死亡,心血管疾患,脳卒中の予防に有効である.血清脂質への影響については,総食物繊維,水溶性の食物繊維を使用した多くのRCTのメタ解析でTC 343, 349–351),LDL-C 343, 349–353),non-HDL-C 352, 353)が低下し,HDL-CおよびTGへの効果は認めなかった報告が多い349–351).したがって,食物繊維の摂取は血清脂質の改善に有効である.生活習慣病の重症化予防には,おおむね25 g/日以上の摂取が推奨される248, 343). 食品選びのポイント 1)穀物 穀物は多くの地域で主食となっている.主に米,麦,トウモロコシ,イモなどであり,成分は炭水化物が主体である.主にどのような種類の穀物を摂ればよいのかは明らかでない.未精白の全粒穀物は総死