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p.11 抽出テキスト

(心筋梗塞,冠動脈再建術,心臓突然死)およびAMIの1961年から2009年にかけての罹患率を検討した.男性ではこの期間のCADやAMIの年齢調整罹患率に明らかな時代的変化がなかったが,女性のCADは主に1980年代以降に有意な低下傾向がみられ,AMIについては有意ではないが同様のパターンを示した.一方,年齢階級別の検討では,80代の高齢者では1960年代から1980年代にかけてAMIの罹患率が上昇し,その後は変化がみられなかった.

これら2つの研究は,1960年代から2000年代にかけての半世紀の長期にわたるCADの時代的推移を検討していることが特徴であるが,一方で対象集団が比較的小さくCADの新規発症者数が少ないため,統計学的検出力に限界があった.そこで,1980年代以降に実施された比較的近年の観察研究では,より大規模な地域住民を対象にAMI罹患率の時代的推移が検討されるようになっている.

滋賀県高島市の登録研究8)では,AMIの年齢調整罹患率は1990年から2001年にかけて男女ともに増加したと報告している.年齢階級別の検討では,65歳以上の高齢者でAMIの罹患率の有意な増加を認め, 65歳未満では有意ではないものの増加傾向がみられた.

1985年から2014年にかけて実施された宮城県の登録研究9)では,男性のAMIの年齢調整罹患率は主に最初の10年間に増加し,一方で,女性の罹患率は主に最後の10年間に減少していた.年齢階級別の検討では,59歳以下の若年層で男女ともにAMIの罹患率は増加したが,70歳以上の男性や60歳以上の女性ではその罹患率は近年低下傾向がみられた.

山形県の登録研究10)では,県内を沿岸部,内陸都市部,内陸農村部の3地域に分けて1994年から2010

図1世界主要国(MONICA 研究,1985~1987 年)およびわが国(1989~1992 年)の疫学調査における急性心筋梗塞

(AMI)の年齢調整罹患率(35~64 歳) MONICA: monitoring trends and determinants in cardiovascular disease, AMI: acute myocardial infarction (Ueshima H. 2007 4)より)男性女性

地中海地域中国日本

フィンランド英国カナダスウェーデン(北部)ポーランドアイスランドデンマーク米国チェコリトアニアニュージーランドロシアセルビアオーストラリアベルギードイツスイス(ティチーノ)フランスイタリアスイス(ヴォー/フリブール)スペイン中国日本(北海道)日本(沖縄)日本(滋賀)日本(大阪)日本(長野)日本(秋田)英国ポーランドデンマーク米国カナダフィンランドニュージーランドスウェーデン(北部)ロシアオーストラリアアイスランドスウェーデン(ヨーテボリ)チェコリトアニア

セルビアベルギードイツフランスイタリア中国スペイン日本(沖縄)日本(大阪)日本(北海道)日本(長野)日本(滋賀)日本(秋田)

AMI罹患率(対10万人年) AMI罹患率(対10万人年) 0 150 300 450 600 750 900 0 150 300 450 600 750 900