p.68 抽出テキスト
などの画像診断が有用である.また心サルコイドーシスやアミロイドーシス,他の心筋症なども心臓伝導障害に重症不整脈,心不全などを合併することから,画像検査による除外診断が必要である. g. 遺伝学的検査 遺伝学的検査はPCCD の原因疾患の鑑別に有用である. SCN5A,LMNA,非特異的カチオンチャネル遺伝子(TRPM4) 695 は主要な遺伝子と考えられている.Makitaの報告によれば家族性PCCD の19% にSCN5A の変異が, 15% にLMNA の変異が同定された696. 現時点でPCCD に対する遺伝学的検査の臨床的有用性については限定的であり,保険適用外である.しかし,血縁者のなかにPCCD や突然死の家族歴がある場合には,発端者が超高齢者でない限り,遺伝学的検査が推奨される.また,すでに血縁者に遺伝子変異が同定されている場合に家族の遺伝子解析を行うことは,予後予測の観点から重要である. とくにLMNA 変異の場合は,突然死や心不全などの発症年齢が中年期以降となることが多い.かならずしも症状の有無にとらわれず,軽度でも心電図異常(1 度房室ブロック,心房不整脈など)があれば,その変異の有無を解析しリスク評価することが勧められる. 4.7.2 診断基準 以下の4 条件を満たすものをPCCD と診断する 8 1 進行性の伝導障害を示す心電図所見として,二束ブロックまたはモビッツII 型2 度以上の房室ブロックを認める 2 失神などの徐脈による症状またはペースメーカ植込みの 既往歴や家族歴がある3 診断時の年齢が70 歳未満4 診断時の除外項目として,器質的心疾患,骨格筋ミオパ チー,サルコイドーシス,自己免疫性疾患,動脈硬化性疾患が否定される(経過の途中で心筋症や骨格筋ミオパチーを合併した場合でも,徐脈による症状・病態がそれに先だっている,あるいは徐脈の関与が疑われる症例は除外しない) 5 原因不明の失神の診断 5.1 診断の進め方 一過性意識消失発作とは,「突然発症する意識消失発作であり,短時間で自然回復する一過性のもの」と定義される.この際,転倒や昏睡などの除外が必要である5, 697-699 (ESC ガイドライン2009 699 図1 参照).一過性意識消失には,失神やてんかん,心因性などの原因疾患が含まれているため,初期評価の主目的は失神と非失神を見分けることであり,意識消失時の状況把握・詳細な病歴聴取・身体所見・心電図検査などで行う(図31) 5.患者本人のみならず 図31 失神の診断フローチャート一過性意識消失(失神の疑い) 治療 早期評価,治療適宜,循環器系や反射性失神の検査 心電図記録にもとづいて遅れて開始される治療評価終了治療 初期評価 失神 確定診断診断未確定 心原性失神を疑うリスク因子 ありなし再発性失神なし失神は1 回またはまれ特定の検査,専門医の診断による確定 非失神