p.57 抽出テキスト
QTc の延長(>460 ms) 610 10 V6 誘導でのQRS 幅の延長(90 ms 以上) 608, 612 11 QRS 幅の延長(120 ms 以上) 600 12 PQ 間隔の延長(170 ms 以上) 590, 609 c. 運動負荷心電図 1990 ~2013 年のブルガダ症候群患者(18 論文,166 人)を対象としたシステマティックレビューでは356,運動検査中のVT は2 人,多発性心室期外収縮(PVC)は1 人であった.運動の早期回復期においては57% の患者でST上昇が認められ,3 人でサドルバック型からコブド型へ変化した.本検討の大部分は2 件の大規模試験74, 355 の結果に依存する要素が大きく,ブルガダ症候群における運動リスクに関するデータは十分とはいえない.しかし,運動誘発性のST 上昇およびVT は,不整脈イベントの独立した予測因子となることから74 ,激しい運動の制限について検討する余地がある. d. 特殊解析心電図指標 高リスクのブルガダ症候群の予測に以下の特殊解析心電図指標の有用性が提唱されている. i. SAECG 加算平均心電図(SAECG)における心室LP の検出は,心室筋における伝導遅延(脱分極異常)領域の存在を意味している.心室LP とVF 発生の関連を示す文献はわが国からの報告を中心に多数あり,前向き試験によっても有用性が示唆されているが613-615,エビデンスとしてはまだ十分とはいえない.心室LP は日内変動があり616,ブルガダ心電図波形が出現している際に多く検出される 617 Abe らは24 時間ホルター心電図における心室LP の評価 がVF および多形性VT の発生予測に有用であることを報告している246(第1 章7.4 参照). ii. HRV 心拍変動(HRV)指標は自律神経活動を評価可能であり,特に周波数領域解析で測定された高周波成分のパワー値は迷走神経活動を鋭敏に反映する.Nakazawa らは,VF 既往のあるブルガダ症候群患者において高周波成分が健常人および無症候性ブルガダ症候群に比べて有意に高値であったことを報告した618.ブルガダ症候群における心イベントは夜間就眠時,早朝あるいは食後に多いことが知られてお 図24 ブルガダ心電図を認めた場合の検査フローチャート コブド型およびサドルバック型のST 上昇所見 (高位肋間を含む) 必要に応じて,薬物(Na チャネル遮断薬)負荷を行う原因不明の心停止から蘇生の場合はクラスI ・ 経過観察・ 定期的に12 誘導心 電図検査を行ってタイプ1 心電図出現の有無を確認 ICD 植込み治療検討推奨クラスI またはIIa(夜間の苦悶様症状やEPS 誘発の 場合)引き続き失神の原因精査を行うEPS で不整脈誘発試験 推奨クラスIIb ・経過観察・症状の定期的な確認+ - 原因不明の心停止, VF または多形性VT,夜間の苦悶様症状EPS で不整脈誘発試験 推奨クラスIIa 2 連刺激以下でのVF 誘発 原因不明の失神 有症候性無症候性 自然発生のタイプ1 心電図薬物負荷誘発のタイプ1 心電図 年齢,性別,家族歴, SCN5A 変異,QRS 棘波,J 波,心室LP,ホルター心電図によるTWA などを考慮非タイプ1(タイプ2,3) 心電図タイプ1 心電図(薬物負荷誘発を含む)