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p.56 抽出テキスト

a.  症状の有無

ブルガダ症候群患者では,心室性頻脈性不整脈に伴う症状の有無の評価が非常に重要である.VF および心肺蘇生既往のほか,原因が明らかではない失神既往のブルガダ症候群患者では心イベント(心臓突然死およびVF)が起こりやすい.わが国におけるブルガダ症候群の心イベント発生率は,VF 既往例では年8 ~10%,失神既往例では年

0.5 ~2%,無症候例では年0 ~0.5% 程度と報告されている170, 596.失神症状については反射性失神(血管迷走神経

性失神)との鑑別が重要である.反射性失神と診断された場合は,たとえタイプ1 心電図であったとしても無症候性ブルガダ症候群として扱う. b.  12 誘導心電図指標

これまで,次のような12 誘導心電図指標がリスク層別化に有用であったと報告されている43, 44. 1 自然発生のタイプ1 心電図177, 178, 597, 598 2 右胸部誘導,下側壁誘導におけるQRS 棘波(fragmented

QRS)所見43, 599-602 3 下壁側壁誘導におけるER(J 波)所見170, 596, 600, 603, 604 4 I 誘導でのS 波(0.1 mV 以上,あるいは/ かつ幅が40

ms 以上)

605 5 aVR 誘導での著明なR 波(0.3 mV 以上の波高,あるい

はR/q 比0.75 以上)

606 6 V1 誘導でのRJ 間隔(S 波幅)延長(90 ms 以上)

607, 608

7 V1 誘導での陰性T 波高増大(-105μV 以上)

609 8 胸部誘導でのT 波の頂点から終点までの時間[Tpeak-Tend

間隔(Tp-e)>100 ms]とそのばらつき(Tp-e dispersion > 20 ms) 608, 610, 611 9 V2 誘導でのQRS 幅の延長(90 ms 以上) 596 あるいは

表27 原因不明の心停止からの蘇生例におけるブルガダ症

候群の診断に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

原因不明の心停止からの蘇生例に対して,高位肋間の前胸部誘導心電図検査を行う. I C原因不明の心停止からの蘇生例のうち,非タイプ1 心電図所見,もしくはブルガダ症候群の臨床的特徴を有する症例に対して,Na チャネル遮断薬負荷試験を行う. I C原因不明の心停止からの蘇生例に対して, Na チャネル遮断薬負荷試験を考慮する. IIa C

図23 ブルガダ症候群の心電図の実例(Wilde AA, et al. 2002

592 より) Translated and reproduced by permission of Oxford University Press on behalf of the European Society of Cardiology.

タイプ1タイプ2タイプ3

V1

V2

V3

V4

V5

V6

500 ms 1 mV