p.51 抽出テキスト
TdP,T 波オルタナンス(TWA),ノッチ型T 波,年齢不相応な徐脈),臨床症状(失神,先天性聾),家族歴を点数化し,3.5 点以上で診断可能とされた551.また,2013 年に発表された米国不整脈学会(HRS)/ 欧州不整脈学会(EHRA)/アジア太平洋不整脈学会(APHRS)の合同ステートメントでは,2011 年版Schwartz の診断基準(LQTS リスクスコア≧3.5)を満たさない場合にも,早期診断が可能なように工夫されている.つまり,繰り返し記録した心電図において常に修正QT 間隔(QTc)が500 ms 以上である症例や,QTc が480 ~499 ms であっても他の原因で説明ができない失神既往のある症例も先天性LQTS として臨床診断を可能とした43.さらに,2015 年の欧州心臓病学会(ESC)のガイドラインでは,QTc 500 ms 以上はそれ自体が突然死の高リスクの所見であり,QTc 480 ms 以上の心電図所見のみで臨床診断を可能とすべきと推奨している 188 なお,日常臨床では,後天的な要因(徐脈,薬剤,電解 質異常など)による二次性もしくは後天性LQTS とよばれるQT 延長が問題となることが多く,先天性LQTS の診断 表19 先天性LQTS の診断に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 二次性LQTS を除外したうえで,LQTSリスクスコア3.5 以上を先天性LQTS と臨床診断する. I C二次性LQTS を除外したうえで,繰り返し記録された心電図でQTc 500 ms 以上を先天性LQTS と臨床診断する. I C QT 間隔にかかわらず,LQTS 関連遺伝子の病的変異を認める場合に,先天性LQTS と遺伝子診断する. I C二次性LQTS を除外したうえで,繰り返し記録された心電図でQTc 480 ~499 ms,かつ説明のつかない失神を認める場合に,先天性LQTS と臨床診断することを考慮する. IIa C二次性LQTS を除外したうえで,繰り返し記録された心電図でQTc 480 ms 以上を先天性LQTS と臨床診断することを考慮してもよい. IIb C 表20 先天性LQTS のリスクスコアと診断基準 基準項目点数 心電図所見QT 時間の延長(QTc) *1 ≧480 ms 3 460~479 ms 2 450~459 ms(男性) 1 運動負荷後4 分のQTc ≧480 ms 1 TdP *2 2視覚可能なT 波オルタナンス1 Notched T 波(3 誘導以上) 1年齢不相応の徐脈*3 0.5 臨床症状失神*2ストレスにともなう2 ストレスにともなわない1 先天性聾0.5 家族歴*4確実な先天性QT 延長症候群の家族歴*5 1 30 歳未満での突然死の家族歴0.5 点数の合計により,≧3.5 点:診断確実,1.5~3 点:疑診,≦1 点:可能性が低い,に分類される. *1: 治療前あるいはQT 延長を引き起こす因子がない状態で記録し,Bazett の補正式を用いて QTc を算出する. *2: TdP と失神が両方ある場合は計2 点*3: 各年齢の安静時心拍数の2 パーセンタイル値を下回る場合,遺伝性不整脈の診療に関する ガイドライン(2017 年改訂版)8 を参照*4: 両方ある場合は計1 点*5 : 先天性QT 延長症候群リスクスコア≧3.5 の家族歴(Schwartz PJ, et al. 2011 552 より) ©2011 American Heart Association, Inc.