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p.46 抽出テキスト

3.2 持続性心室頻拍(VT)

持続性VT は12 誘導心電図で診断するが489, 490,wide QRS 波形を呈する上室頻拍との鑑別にはEPS が有用である256, 488.わが国では持続性VT の原疾患に占める陳旧性心筋梗塞の割合は35% 程度と低く,非虚血性心疾患の占める割合が高い2.持続性VT は抗不整脈薬の催不整脈作用,電解質異常で発症することもある.器質的心疾患を伴わない特発性VT は,理学的所見,心電図,各種画像検査で診断される.右室流出路起源VT 491 とベラパミル感受性リエントリー性VT 492 の頻度が高い.一般的に生命予後は良好とされるが,頻拍のために心機能が低下する場合(頻拍依存性心筋症)がある493.ホルター心電図,運動負荷心電図による発症パターンの解析は,治療法を検討する際に有用である.

VT の原因となる器質的心疾患には以下のものがあげられるが,不整脈原性右室心筋症(ARVC)/ 不整脈原性心筋症(ACM)については,第2 章4.6 を参照されたい.

3.2.1 急性心筋梗塞

VT/VF の多くは梗塞発症早期(48 時間以内)に生じ,現在でも院外死亡の主要原因である.これら急性期発症の

VT/VF はかならずしも予後不良の因子といえないが,それ以降(48 時間以降)に発症するものについては厳重な対応が望まれる494-496.

ST 上昇型急性心筋梗塞症例のメタ解析(57,158 人)では,ST 上昇,梗塞発症早期,喫煙,男性,梗塞前狭心症の欠如,低心拍数,房室ブロック,低カリウム血症がVT/ VF 発症の危険因子となった497.高齢者,収縮期血圧高値,心筋梗塞の既往,Killip 分類の重症度,前壁梗塞,LVEF低下を危険因子とする報告もある498.12 誘導心電図のJ波がVT/VF 発症と予後に関連するとの報告もある499, 500.

3.2.2 慢性冠動脈疾患

慢性冠動脈疾患に伴うVT/VF のおもな機序はリエントリーで,傷害心筋での伝導遅延と途絶が不整脈基質になる.不整脈イベント既往例,心停止からの蘇生例は心臓突然死の高リスクに該当する(二次予防)

152, 501, 502.一次予防では,

LVEF の低下(30 ~35% 以下)が独立した危険因子にあげられる153, 154, 159.心臓MRI 検査による不整脈基質の評価を支持する研究が散見される

503 リスク評価では,SAECG とTWA 検査を組み合わせる

ことで,精度の高い評価ができるとする報告がある271.体

図17 PVC とNSVT の心電図の実例A, B:完全代償休止期と間入性の単発PVC,C:単源性2 連発心室期外収縮,D:多源性の単発および2 連発心室期外収縮,E:単源性のNSVT

A

B

C

D

E