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p.44 抽出テキスト

群とよばれる453.図15 にAVRT の典型例の12 誘導心電図を示す.頻拍中のQRS 波の後方に逆行性興奮を示すP′波が確認される.

EPS で上室頻拍を誘発し逆伝導の心房波の最早期をマッピングした時に,頻拍の最早期興奮部位が弁輪部中隔以外の時には副伝導路の存在を疑う.副伝導路の順伝導の付着部位は,洞調律,あるいは心房刺激中に心室最早期興奮部位を同定する.逆伝導の付着部位は心室刺激中または頻拍中に心房最早期興奮部を同定する.副伝導路は斜走していることがあるため,かならずしも心室端の最早期と心房端の最早期が一致しないことがある

441 副伝導路の存在が示されたとしても,その副伝導路が頻

拍に関与していることを証明するためには,上室頻拍の誘発が必須である.上室頻拍中に右室からヒス束の不応期のタイミングに期外刺激を入れ,逆伝導の心房波を早期捕捉し頻拍周期のリセットを確認できれば,副伝導路の頻拍への関与が判断できる.診断に難渋するのは,中隔側の副伝導路である.Hirao らは,傍ヒス束ペーシングにより中隔側副伝導路と房室結節逆伝導を鑑別する方法を報告している445.またMaruyama らは頻拍中に10 ~40 ms 短い間隔の右室オーバードライブペーシングをして,AVNRT と鑑別する方法を報告している

443 多くの副伝導路は弁輪部の心房-心室間心内膜側に付着

するが,まれな副伝導路として心外膜側を経由し,心耳や,冠静脈入口部,冠静脈憩室内に付着する副伝導路も報告さ

れている454-456. b. 特殊な早期興奮症候群

心房筋脚枝間を短絡するマハイム束は順行性の減衰伝導特性を有するが,逆行性伝導を認めない副伝導路である.マハイム束を順方向,房室結節を逆方向に旋回するAVRTを生じうる

457 2.3.4 心房頻拍[(AT),心臓手術および アブレーション術後のAT 以外]

上室頻拍の一部にAT が含まれる.12 誘導心電図ではlong RP′ tachycardia を呈する.P′の波形は洞調律時と異なる.ATP は,narrow QRS tachycardia に対して頻拍を停止させる作用とともに,AT や洞頻脈との鑑別に有用である.AT や洞頻脈の場合には,ATP による房室結節伝導の抑制前後のP 波形に変化がないことで診断を確定することができる.少量のATP 投与により停止する頻拍は,ATP感受性AT とよばれる458-460.

EPS 時に頻拍中の心房のマッピングで,最早期部位が弁輪部あるいは房室結節領域以外であった場合にはAT を疑うが,房室結節近傍のAT も存在する.AT の機序には,異常自動能(異所性自動能,撃発活動)やマイクロリエントリーによる巣状興奮を示すAT(以下,巣状興奮型AT)と,マクロリエントリーによるAT がある.Yamabe らは,ベラパミル感受性AT の機序はリエントリーであることを報告している461.彼らは,房室結節近傍および房室弁輪部のベラパミル感受性AT に対して,頻拍中の最早期興奮部位での電位を記録したまま,心房内の多点から頻拍レートより速いレートでペーシングを行い,マニフェストエントレインメント現象が観察されることを報告した. a. 巣状興奮型AT

巣状興奮型AT の起源は,洞結節領域,房室結節領域やヒス束近傍,弁輪部,分界稜,肺静脈,上大静脈,冠静脈入口部,心房中隔,心耳,などさまざまであり,AT のマッピングには3D マッピングシステムが必須である462-468. Tang らは,巣状興奮型AT では,12 誘導心電図でP 波の確認ができれば,その起源を予測できると報告している469.起源予測により心内マッピングが効率的に施行できるが,左房側へアプローチする可能性があれば心房中隔穿刺が必要となる(図16)

469 b.  マクロリエントリーAT

頻拍中の電気生理学的マッピングによりマクロリエントリーAT の診断が可能となる470.マクロリエントリーAT と三尖弁下大静脈間狭路に依存しない非通常型AFL という用語は,しばしば同様の機序の頻拍に対して用いられてお

図15 AVRT の心電図の実例(左房後壁副伝導路)