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p.43 抽出テキスト

い右室心尖部からのオーバードライブペーシングを行い,それに対する電気生理学的反応からAVRT あるいはAT をAVNRT と鑑別する試みを報告している443.AVNRT の最終診断はAVRT およびAT の除外診断である. b.  非通常型:通常型以外のAVNRT

非通常型は従来fast-slow 型,slow-slow 型に分類されていたが,leftward inferior extension slow-fast 型,left atrial slow-fast 型, superior fast-slow 型も報告されている.非通常型のAVNRT では,頻拍中のP‘ 波がRR 間隔の後半部(RP′間隔> P′R 間隔)にみられることがある(long RP′ tachycardia).鑑別としてはslow ケント束を逆伝導路としたAVRT,AT があげられる

446 i.  fast-slow type AVNRT

fast-slow type AVNRT は,房室結節の右後方に伸びる部分(rightward inferior extension)と左後方に伸びる部分

(leftward inferior extension)により形成されるAVNRT と考えられている.順伝導路をleftward inferior extension,逆伝導路をrightward inferior extension とする頻拍で,頻拍中の心房最早期興奮部位は冠静脈洞入口部付近である440.Kaneko らは心房最早期興奮部位がコッホの三角上方にあるsuperior slow pathway を逆伝導路とするfastslow AVNRT の一亜型を報告した

447 ii.  slow-slow type AVNRT

slow-slow type AVNRT は,房室結節の右後方に伸びる部分(rightward inferior extension)と左後方に伸びる部分(leftward inferior extension)により形成されるAVNRT と考えられている.順伝導はrightward inferior extension,逆伝導はleftward inferior extension であり,頻拍中の心房最早期部位は冠静脈洞入口部付近である

441 2.3.3 房室回帰性頻拍(AVRT)

a. WPW 症候群

房室結節以外に心房と心室をつなぐ副伝導路(ケント束)を有する疾患で,洞調律時の特異な心電図所見に加えて多彩な頻拍発作を呈する症候群である.1930 年にWolff, Parkinson,White らが報告したためWPW 症候群とよばれるが,早期興奮症候群という名称もある

448 副伝導路により健常人にはないリエントリー回路が形成

され,種々の上室頻拍発作をきたす.一般的に予後良好の疾患であるが,WPW 症候群にAF を合併すると致死的心室不整脈に移行する危険性があり,たとえ無症候であったとしても注意を要する

449 WPW 症候群は,Rosenbaum らによりV1 誘導でR が高

く左室僧帽弁輪に副伝導路があるA 型,rS パターンで右室三尖弁輪に副伝導路があるB 型に分類された450.さらに,V1 誘導がQS パターンを呈する場合には中隔副伝導路が推定され,わが国ではC 型に分類された451.Arruda らは,12 誘導心電図のΔ波の極性を詳細に検討することにより,副伝導路の局在が推定可能であると報告している

452 12 誘導心電図で副伝導路(Δ波)を示す場合は顕性

WPW 症候群とよばれる.顕性WPW 症候群の副伝導路は,ほとんどの症例で心房から心室の順伝導と心室から心房の逆伝導を有する.有効不応期の短い順行性副伝導路を有する症例は心臓突然死のリスクが高い163.一方,心室から心房だけの伝導を有する副伝導路も存在し,EPS により,はじめて副伝導路の存在が明らかになる.体表面心電図ではデルタ波は認めず,頻拍発作時に逆行性副伝導路の存在が疑われ,潜在性WPW 症候群という.また,一過性にΔ波が消失または出現するタイプがあり,間欠性WPW 症候

図14 AVNRT(slow-fast type)の心電図の実例