p.40 抽出テキスト
較すると,5 日間以内のホルター心電図はAF の検出率が有意に低く,特に3 日間以内のホルター心電図では多くの患者で再発を見逃す可能性がある409.ループ式イベントレコーダは心電電極を貼付する必要がある.これまでAF と診断されていない患者を対象にしたREAL-AF 試験では, 14 日間の体外式ループ式イベントレコーダは,24 時間ホルター心電図よりもAF の検出率が高く,1 年で3.7% のAF を新規に診断した 410 f. 植込み型ループレコーダ 植込み型ループレコーダ(ILR)は,連続的にイベントの記録が可能であり,AF の検出にもっとも検出力が高いと考えられている408.ABUCUS 試験ではAF アブレーション後の症例に対して,ILR とホルター心電図を比較したが, ILR の方がAF の再発検出率が高かった411.AF でILRが認可されているのは,潜因性脳梗塞の診断のみである.図11 にAF 診断における各デバイスの特徴を図示した. 2.1.4 無症候性心房細動のスクリーニング 健康診断などでの心電図のスクリーニングにより,無症候性AF を検出することが可能である.多摩市の検診データによると,男性では65 歳以上,女性では70 歳以上でAF の有病率が2% 以上であった.また,52,707 人年の観 察で,2.5/1,000 人年の割合でAF が新規発症した412.AFは高齢者ほど有病率が高く,65 歳以上を対象とすると,スクリーニングの心電図検査や医師の検脈で異常を認めた際の心電図検査はAF の検出に有用であり,後者の方が費用対効果はより高いと考えられている413, 414.特に高リスク,たとえば脳梗塞急性期の患者では72 時間のモニタ心電図のスクリーニングが推奨されている415.無症候性発作性AF は見逃されやすく416,繰り返し毎日心電図検査をすることでその検出率は上昇する417, 418.前述の着用型・スマートデバイスを用いることで,心電図による確定診断は要するものの,無症候性発作性AF 患者の検出率は高くなると考えられている419, 420. AF のスクリーニングの際には,AF 検出の重要性と治療の意義について説明すべきである.また,スクリーニング陽性患者に対して,AF の確定診断や,その後最適な治療を受けられるような診療システムを整備する必要がある 418 スクリーニング陽性患者に対しては,1 つの誘導の30 秒以 上の心電図記録か,12 誘導心電図で医師がAF を確認して,はじめてAF の確定診断となる402.一般人に対する大規模なスクリーニングはAF の早期発見につながる可能 図11 AF のスクリーニングと診断に用いられる各デバイスの特徴 侵襲性汎用性 診断力低い高い 検脈 血圧計着用型・スマート デバイス非ループ式イベントレコーダ ホルター心電計 ループ式イベント レコーダ ILR 低い高い 高い低い植込み型心臓電気デバイス注: ここでの着用型・スマートデバイスは心電図記録ではなく,光プレスチモグラフィによる不整脈波検出デバイスを指す.