p.39 抽出テキスト
難な場合が多い. c. 診断上の分類i. 臨床的なAF 症状の有無にかかわらず,体表面心電図で記録された30 秒以上持続するAF.AF の確定診断がついたもの. ii. 植込みデバイスで記録されるAHRE 心房リード付きの心臓植込みデバイスで記録される175拍/分以上の心房の高頻度興奮で,持続5 分以上のものを指す.記録をレビューし,アーチファクトなどではないことを確認する必要がある389-391. iii. 潜在性AF 臨床的にAF と診断されたことがない症例で,植込みデバイスでAHRE やILR でAF が記録されたが,体表面心電図でAF が記録されないもの. 2.1.3 検出法 不整脈の検査法は別項にまとめられているが,ここではAF の検出法について述べる. a. 検脈 検脈は高齢者であっても簡単な訓練で,正常な脈と不整脈を鑑別できる方法である392.無症候性のAF の早期発見には有用という報告がある393.しかし長期間継続して検脈を行うことは難しく394,繰り返し動機付けをする必要がある.また検脈による診断の感度は高いが特異度は低いため395,心電図で診断する必要がある.AF が検知されなかった65 歳以上の患者の1.4% で,検脈により新たにAFが検出されたとの報告もある 396 日本脳卒中協会と日本不整脈心電学会は,毎年3 月9 日 を「脈の日」,3 月9 ~15 日を「AF 週間」と定め,この期間を通じて,国民にAF の症状,脳梗塞の危険性と医学的管理による脳梗塞予防の必要性を広く周知させ,AF からの脳梗塞を予防する活動を行っている(http://www. shinbousaidou-week.org/). b. 血圧計 自動血圧計で脈の不整を検知するものが市販されており,検脈よりも脈の不整の検知に優れるという報告397 や,感度,特異度ともに90% 以上であったという報告もある398.心電図による確認を要するものの,脈の不整を検出する有力な方法である 399 c. 着用型・スマートデバイス 近年多くの着用型・スマートデバイスが販売され,不整脈の診断に活用されている.光プレスチモグラフィは皮膚にLED ライトを当てて,色調の変化から脈波を検出する.スマートフォンのカメラ部分に指をあてAF を検出するアプリが数多くあるが400, 401,感度,特異度は高いものの偽陽性が多く,陽性適中率は高いとはいえない86.スマート ウォッチは背面にLED ライトとセンサーを内蔵するものがあり,それによるAF 検出の報告もある.アップル社のスマートウォッチを用いたApple Heart Study では,不整脈通知を受けた者の34% でAF が確認され,陽性適中率は84% であった123.また同様に,Huawei Heart Study ではスマートウォッチによるAF の陽性適中率は91.6% であった.現在多くの着用型・スマートデバイスが開発されているが,多くは光プレスチモグラフィによる脈波記録であり, AF の確定診断には心電図が必要である.小さな2 つの電極をスマートフォンの裏に貼り付け,それを左右の手で保持するとスマートフォンで心電図が記録できるシステムもある(KardiaBand,AliveCor 社).REHEARSE-AF Study では65 歳以上のCHA2DS2-VASc スコア2 点以上の患者を52 週同システムでフォローしたが,500 人中19人にAF を検出し,コントロール群のAF 発症は5 人で,ハザード比3.9 と有意にAF 検出に優れていた402.また最近のアップル社のスマートウォッチはベゼルと時計本体の裏部分に電極があり,一方の腕にウォッチを付け,もう一方の手でベゼルに触れることで心電図を記録できるようになった.本アプリは2021 年1 月にわが国にも導入された(詳細は第1 章3.6 を参照). d. 非ループ式イベントレコーダ 非ループ式イベントレコーダは持ち運びできる大きさで,患者が保持することにより30 秒間心電図記録ができる装置である.電極貼り付けが不要で,患者の負担も少ない.非ループ式イベントレコーダは有症状時に記録が取れるため,症候性の不整脈に対する診断はホルター心電図よりも優れている403.非ループ式イベントレコーダとホルター心電図を比較したメタ解析では,累計19 分の非ループ式イベントレコーダの記録がホルター心電図に匹敵すると報告されている 404 また,AF アブレーション後の症例で,非ループ式イベ ントレコーダで1 日2 回30 秒記録すると,月1 回24 時間ホルター心電図を施行するよりもAF の検出に優れていた405, 406.AF アブレーション後には,症候性,無症候性のAF が混在することが知られている407.非ループ式イベントレコーダで経過をみる場合には,有症状時のみならず症状がないときも定期送信する必要がある. e. ホルター心電図・ループ式イベントレコーダ 発作性AF をホルター心電図で検出する際には,観察時間が長ければ長いほど検出率が高くなる.AF アブレーション後のフォローアップにおいては,24 時間よりも長期のホルター心電図の方がAF 再発の検出に優れるという報告がある408.AF アブレーション後7 日間ホルター心電図と比