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常を伴わないかきわめて軽微な場合もある.そのため,塩基置換がさまざまなデータベースや論文などで疾患の原因変異とされているものか,疾患とは関連のない良性の塩基置換かの確認が必要である.特に健常人にも同定される塩基置換(遺伝子多型)は人種差があり,日本人におけるデータベースから判断する必要がある.また結果が陰性であっても,不整脈関連の疾患・症候群を完全に否定するものではないことを留意すべきである. 8.5 個人情報および個人遺伝情報の取扱い 遺伝情報にアクセスする医療関係者は,遺伝情報の特性を十分理解し,個人の遺伝情報を適切に扱うことが求められる.すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査の結果は,原則として,他の臨床検査の結果と同様に,患者の診療に関係する医療者が共有する情報として診療録に記載する必要がある. 9 不整脈患者の運動許容の 条件と設定 器質的心疾患を認めない不整脈を持つ小児の学校生活管理については,日本小児循環器学会のガイドラインを参照されたい324.本ガイドラインでは成人に対する指針を記す.運動ないし身体活動の強さは代謝当量(MET)で表す325, 326.これは安静時代謝に対する活動時代謝の比で,1 MET は1.0 kcal(4.184 kJ)/kg/hr である325, 326.身体活動の強度は軽度3 MET 未満,中等度6 MET 未満,高度 6 MET 以上で分類する.30 分以上の中強度の有酸素運動を週に2.5 時間以上,または20 分以上の高強度の運動を週75 分以上,または中強度と高強度を組み合わせて週に500 ~1000 MET・時間以上行うと,心血管疾患の予防と健康に有益で,不整脈発生の抑制効果が期待できる327, 328.一方,運動習慣のない人の急な運動,特に高強度の運動は,不整脈など有害事象をもたらすリスクがある328, 329. 不整脈疾患に対する運動を考える際には,基礎心疾患の有無をまず考慮する.心筋梗塞,心筋疾患,心不全,先天性心疾患術後など基礎心疾患のある患者では,不整脈基質(心筋の構造的・組織学的異常)が原因となる場合と,運動に伴う心血行動態の変化が不整脈の誘引となり発生する場合がある.基礎心疾患のある場合は運動療法を行うことで,心筋虚血の改善,交感神経の抑制などにより不整脈基質の悪化・進展が防止される効果が期待できる.不整脈患者の運動許容に関する推奨とエビデンスレベルを表12に示す. 9.1 徐脈性不整脈(洞不全症候群および 房室ブロック) アスリートにおいては,有症候性の洞徐脈,運動により2 度ウェンケバッハ型房室ブロックが改善しない場合,安静時および運動による2 度モビッツII 型・高度房室ブロックまたは3 度房室ブロックが出現する場合は精査が必要である 330. 9.2 脚ブロック 完全右脚ブロック(CRBBB)では,心室期外収縮(PVC)がなく,運動で2 度以上の房室ブロックが出現せず,無症候性の場合には運動制限は必要ない.左軸偏位を伴う場合には房室ブロックに進行する場合もあり,経過観察を行う330. 表12 不整脈患者の運動許容に関する推奨とエビデンスレ ベル 推奨クラスエビデンス レベル ICD 植込み後患者では,適切な監視下での運動を許可する. I A AF 患者では,運動耐容能の向上を目的に中強度以下の習慣的な運動を考慮する. IIa Cアスリートでは,無症候性の洞徐脈や運動により改善するウェンケバッハ型2 度房室ブロックの場合は運動制限をしないことを考慮する. IIa C PVC 患者では,単形性で安静時または運動中に単発ないし2 連発の場合,器質的心疾患がないことを確認できれば運動制限をしないことを考慮する. IIa C PVC 患者で,運動中および回復期に増加または多源性や3 連発以上を認める場合に,心血管死に対するリスク評価を考慮する. IIa C CPVT 患者では,高強度の運動を避けることを考慮する. IIa C ARVC/ACM 患者では,競技スポーツや高強度の運動を避けることを考慮する. IIa C LQT1 患者では,激しい運動および水泳を避けることを考慮する. IIa Cブルガダ症候群患者では,激しい運動直後は監視を行うことで,運動を考慮してもよい. IIb C