p.22 抽出テキスト
塞リスクが高い洞調律患者にも有用であるとされ244,AFを検出するスクリーニングツールとしての有用性が期待される(第2 章6 参照). 6.4 致死性不整脈での適応 CARISMA 試験では,急性期心筋梗塞の左室駆出率40% 以下の312 人にILR が植込まれ,2 年間で8% に心室頻拍や心室細動が生じたことが報告された245.無症状だが器質的心疾患などの致死性不整脈発生リスクの高い患者のリスク層別化にも有用である可能性がある. 7 心臓突然死の予知指標の 種類と特徴 心臓突然死の多くは,心室細動や心室頻拍などの致死性心室不整脈によって生じる.このような不整脈が発現する背景には,心臓機能異常,遺伝子異常,脱分極あるいは再分極異常,さらに自律神経活動異常といった負の要因の存在がある(図4).心臓突然死を未然に防ぐには,そのような異常要因の存在を事前に察知し,それらを有する患者では前もって治療を講じることが重要である.異常要因を察知する検査マーカーのことを予知指標とよぶが,万能といえる指標はいまだにない.その特徴のみならず,検査の進め方や測定方法,また有用とされる疾患も個々で微妙に異なり,患者や疾患によっては評価できないこともあり,理解して活用する必要がある. 心エコーなどの画像診断で計測される左室駆出率(LVEF)と心臓電気生理学的検査による心室性不整脈の誘発性が,異常要因を知る検査の代表となっている.しかし,非侵襲的に測定される心電学的検査指標も,LVEF には及 ばないものの,臨床で活用されている.これには,心室レイトポテンシャル(LP) 246, 247,T 波オルタナンス(TWA) 248, T 波バリアビリティ(TWV) 247, 249,QT/ RR slope,心拍変動(HRV)指標,心拍タービュランス(HRT) 250,deceleration capacity(DC) 251 などがある(表9).本ガイドラインで示したすべての予知指標が,わが国で発売されている心電図機器を用いて測定することが可能である.心イベントのリスク評価に関する推奨とエビデンスレベルを表10 に示す. 図4 心臓突然死の発現メカニズム 心臓突然死 心機能異常遺伝子異常 生活習慣因子環境因子 自律神経活動異常トリガー不整脈 [心室性不整脈] 心室細動(VF)心室頻拍(VT) TdP [電気生理学的異常] 再分極異常脱分極(伝導)異常 表9 心臓突然死の予知に活用される指標 機能構造系電気生理系修飾因子心機能異常指標直接トリガー指標自律神経活動異常指標• LVEF • NYHA 心機能• BNP • 重篤なPVC • 非持続性VT(NSVT) • HRV • HRT • BRS • DC再分極異常指標 • TWA • TWV • QT 間隔指標 脱分極(伝導)異常指標• QRS 幅延長• 心室LP • EPS による誘発性