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p.19 抽出テキスト

けるVT/VF 誘発性がリスク層別化に有用であるか否かは意見が分かれる8, 170, 175-178.

早期再分極症候群(ERS)はQRS 波の終末部が上昇する所見を示す心電図異常の総称で,いわゆるJ 波症候群に含まれる.健常人やアスリートでも高率に記録され,無症候性の場合,EPS の臨床的意義は低い.

5 マッピング解析の種類と適応

5.1 概念

それぞれの3 次元マッピングシステムには特徴がある.技術の進歩と多電極カテーテルにより,短時間で効率的に多くの電位情報を取得できるようになり,リエントリー性頻拍回路や最早期興奮部位の同定が可能となった.頻拍回路の可視化,精度の高い電極カテーテル位置の表示,異常電位やアブレーション部位への印(タグ)付けにより,手技時間が短縮し放射線被曝量の低減に寄与する2, 179-183.とくに,CT,MRI 画像や心腔内エコー図を統合することが可能で,カテーテル先端の接触圧(コンタクトフォース)をリアルタイムに表示することができる.その結果,過焼灼や無効通電,心臓損傷などのリスクを低減するため,安全性と有効性が向上し,診断や治療には欠かせないシステムとなった.

5.2 種類

わが国では2000 年に初代の3 次元マッピングシステム(CARTO ®)が導入され,現在3 種類のマッピングシステムが使用可能である(表6).

5.2.1 CARTO

® システム(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製)電気生理学的情報とカテーテル内の磁気センサーにより解剖学的位置情報を取得し,精度の高い3 次元画像を描

出する.おもに,不整脈の興奮パターンの診断,低電位領域や不整脈基質の描出,解剖学的位置情報表示,アブレーション情報の表示が可能である.心腔内エコーを用いて3次元のジオメトリ作成ができ(CARTOSOUND ® 機能),アブレーションカテーテルのベクトルが3 次元的に表示されるため,有効な通電が期待される.CARTOUNIVU ® 機能は1 つの画面に必要な透視情報を取り込むため,効率的でかつ被曝をより低減することができる.

5.2.2 EnSite NavX TM システム(アボット社製)

3 対の電極を体表に装着し,微小な電流をその電極より発生させ,心臓周囲にインピーダンスフィールドを作成する.心腔内のカテーテル電極の電圧減衰を計測して空間的な位置を決定し,画面上にカテーテルを表示する.カテーテルの種類やメーカーを問わず,複数の電極カテーテルをリアルタイムに表示でき,すべての電極カテーテルで迅速なマッピングが可能である.2021 年6 月に最新のEnSite X EP システムが国内で承認された.従来のインピーダンスを基にすべての電極カテーテルに対応可能なNavX モードと,磁場を基に正確な位置情報と解剖を描出するVoxelモードがある.

5.2.3 RHYTHMIATMシステム (ボストン・サイエンティフィック社製)

一定の記録条件を満たした拍動のみを自動で,かつ多くのポイントを取得し,多点マップを正確かつ迅速に得ることが可能なシステムである184.マッピングの際には磁気センサーを搭載した合計 64 極の電極を有するIntellaMap Orion TMマッピングカテーテルを用いる.

5.2.4 ExTRa Mapping システム (日本光電社製)

ExTRa Mapping とは,わが国で作られたオンライン・リアルタイム不整脈映像化システムである185.らせん状の電極カテーテル(20 極)で記録される双極誘導に基づく興奮波から,心筋の電気的活動状態を2 次元のカラーマップ

表6 おもなマッピングシステムの特徴

CARTO ® システム(ジョンソン・エンド・ジョンソン社) EnSite NavX TM システム

(アボット社) RHYTHMIATMシステム(ボストン・サイエンティフィック社)

特徴アブレーションカテーテルのベクトルと組織へのコンタクトの強さを,リアルタイムに3 次元的に表示し,より効率的である.心腔内エコーや透視画像を統合することで,被曝量をより低減できる.電極パッチを体表に装着する.複数の電極カテーテルをリアルタイムに表示でき,かつそれらすべての電極カテーテルですみやかにマッピングが可能である.獲得ポイントの制限がない.マッピングには,多電極を有するIntellaMap OrionTMカテーテルを用いる.1 拍で数多くのポイントを取得できる.