p.11 抽出テキスト
会復帰率は46.1% と,それぞれ13.0 ポイント,11.4 ポイント上昇していた. 日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会では,国内41 施設より心停止に至ったホルター心電図の記録を収集し,132 人における不整脈の種類を検討した14.内訳は頻脈性不整脈が73%,徐脈性不整脈が27% で,頻脈性不整脈は徐脈性不整脈に比して若年層で多く(平均58 歳, vs 70 歳),脳卒中や心不全などの合併症が少なかった.頻脈性不整脈の38% は自然停止していたが,言い換えると心臓突然死のニアミス例とも考えられる.事前のリスク評価の重要性を再認識する結果となった. 2.1.2 突然死の病態と原疾患 突然の心停止に至る要因は,心原性と非心原性に大別される(第2 章3.4 表18 を参照).わが国における心原性疾患の内訳は,冠動脈疾患が50 ~60%,心筋症が30 ~ 35% である15(図2A).遺伝性不整脈疾患は10% 以内で,その他に弁膜症などが少数認められる.遺伝性不整脈疾患には,QT 延長症候群,QT 短縮症候群,ブルガダ症候群,早期再分極症候群,カテコラミン誘発多形性心室頻拍,進行性心臓伝導障害が含まれる. 日本不整脈心電学会の心臓植込み型デバイス治療登録データベース(JCDTR) 16 によると,虚血性心疾患に対する植込み型除細動器(ICD)の使用目的は,一次予防が2 割, 二次予防が8 割程度であった.ICD 適切作動率は一次予防例と二次予防例で同程度であったことから,植込み適応基準が厳守されているとみなされる. 反面,ICD の適応外となった患者の心臓突然死を完全に 入院後死亡 295 人1 ヵ月生存371 人入院後死亡 4,579 人1 ヵ月生存818 人入院後死亡 2,989 人1 ヵ月生存1,695 人入院後死亡 19,183 人1 ヵ月生存1,889 人初期心電図がVF/VT 以外 5,397 人初期心電図がVF/VT 666 人初期心電図がVF/VT 以外 21,072 人初期心電図がVF/VT 4,684 人救急隊などによる目撃あり 6,063 人一般市民による目撃あり 25,756 人目撃あり31,819 人目撃なし47,581 人 心原性心停止 79,400 人非心原性心停止 48,318 人 心停止患者数127,718 人 図1 わが国における心停止患者の実態(2018 年度) (総務省消防庁.2019 13 より改変) 虚血性心疾患心筋症遺伝性不整脈その他虚血性心疾患 非虚血性拡張型心筋症肥大型心筋症ブルガダ症候群LQT不整脈原性右室心筋症その他 50 ~60 30 ~35 <10 <10 31 23 13 9 2 2 20 % % 図2 心原性心停止患者の内訳(A:Hayashi M, et al. 2015 15 より作図,B:Noda T, et al. 2014 17 より作図) A: 心原性心停止の原疾患B: ICD/CRT-D 植込みの原疾患