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p.85 抽出テキスト

神経機能評価を行う.

9.7 遠隔期の再侵襲的治療

表37 修正大血管転位の術後遠隔期における侵襲的治療の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

重度の三尖弁逆流があり有症状でも,右室機能が保たれている(EF >40%)症例には三尖弁置換術を行う. I C重度の三尖弁逆流があり,進行性の右室拡大が認められても,無症状で右室機能が保たれている(EF >40%)症例には三尖弁置換術を考慮する. IIa C完全房室ブロックの症例や,すでにペースメーカ治療が行われ,40%以上の心室ペーシングが必要な症例には,両心室ペーシングを考慮する. IIa C重度の三尖弁逆流があり,進行性の右室拡大が認められても,無症状で右室機能低下が中等度の(EF ≦40%)症例には三尖弁置換術を考慮してもよい. IIb C重度の三尖弁逆流があり,進行性の右室拡大が認められ,有症状で右室機能低下が中等度(EF ≦40%)であり,内科治療に抵抗性の症例には肺動脈絞扼術を考慮してもよい. IIb C (Baumgartner H, et al. 2021 563)を参考に作表)

9.7.1 カテーテル治療,不整脈の治療

カテーテルアブレーションは上室頻拍,心室頻拍に対して有用だが,再発が多い.肺動脈分岐部狭窄に対して経皮的バルーン形成術が行われることがある.完全房室ブロックは突然死を招くことが多いので,ペースメーカ装着を検討する(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC).右心機能低下例では心房心室同期ペーシング(DDD)を考慮する(推奨クラスIIa,エビデンスレベルB) 925).心室頻拍を伴う場合はICDも考慮される271).CRTはQRS間隔,体心室径,左室駆出率などの改善をみるが,体心室左室の場合と比べると改善の程度は大きくない926, 927).このCRT単独では心機能の改善が認められなかったが,右心機能低下に対し肺動脈絞扼術とともに行うことにより心機能が改善された症例が報告されている927).

9.7.2 外科治療

機能的修復術後で経年的な三尖弁閉鎖不全の増悪,中等度以上の閉鎖不全を認める場合は,三尖弁置換術または三尖弁形成術を検討する(推奨クラスIIa,エビデンスレベ

ルC).多くの場合,三尖弁形成術は難しい.三尖弁手術は右室機能低下(不可逆的な心筋病変)を生じる前に行うことが望ましい(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC).再弁置換術を行うこともある924).

修復術後遠隔期の右室機能不全では解剖学的修復術が考慮されるが,左室圧が低く手術適応ではないことが多い.その場合は左室トレーニングのための肺動脈絞扼術が検討されるが,解剖学的修復術まで到達できる例は少なく,成人での到達例はない928–930).肺動脈絞扼術後は三尖弁閉鎖不全が軽減されることがある928)ため,内科治療困難時には考慮すべき治療である(推奨クラスIIb,エビデンスレベルC).

解剖学的修復術後例では上下大静脈狭窄解除術のほか,導管狭窄に対して右室流出路形成術または心外導管置換術などが行われるが,近年の報告でも長期予後は期待できる911, 912, 928, 931).しかしながら,ガイドラインでの推奨レベルには達しないと考える.また,大動脈弁の逆流については成長とともに悪化する症例があることを銘記すべきである.

10 大動脈縮窄,大動脈弓離断

大動脈縮窄と大動脈弓離断は,手術やカテーテルによる治療が施されても高血圧とそれに伴う問題の慎重な経過観察が必要で,術後遠隔期に再侵襲的治療が必要になることもある疾患である.再侵襲的治療が施行される確率が高いのは縮窄や離断を修復した部分周辺の縮窄,瘤,解離が中心だが,大動脈二尖弁を合併している場合は,それに伴う大動脈弁狭窄・閉鎖不全の進行も考慮する.また,上行大動脈や頭蓋内の動脈瘤にも注意が必要である415, 475, 932–934).

10.1 解剖学的特徴

「大動脈縮窄」は大動脈のいずれかの部位の狭窄を意味するが,CHDでは多くの場合,動脈管近辺の狭窄である.「大動脈弓離断」は大動脈弓のいずれかの部位の血行動態的な連続性が断たれた状態である.

大動脈縮窄は心血管系の異常の合併を認めない単純型もあるが,本邦では心内疾患を合併する大動脈縮窄複合のほうが多い.大動脈弓離断ではほとんどが心内疾患の合併を認める.合併心内疾患としては心室中隔欠損が多いが,他に大動脈二尖弁(50%以上),大動脈弁狭窄,大動脈弁