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p.76 抽出テキスト

流比が0.4未満であれば施行を検討する(推奨クラスIIb,エビデンスレベルC) 765).両側の肺の不均衡が35%/65%以上であれば適応とする見解もある764).カテーテル治療の手技としてはバルーン肺動脈形成術またはステントを使用した拡大術を検討する(推奨クラスIIb,エビデンスレベルC) 563, 759).

6.3.3 不整脈と突然死

Silkaらによると,Fallot四徴心内修復術後例の突然死は年間1000人あたり1.5人である352).突然死と関係のある心室不整脈が相当数認められる(エビデンスレベルB) 340, 766, 767).術後例の44%に心室不整脈がみられ,発生率は高年齢で手術を受けたことと関連があり,経過観察期間や術後の血行動態,また手術を施行された年代とは無関係に768),Fallot四徴患者の5%が術後遠隔期に突然死するとされてきた.しかし,近年の幼児期や乳児期の手術例では1%以下またはまれであり769),1 年あたりの突然死は0.35%との報告もある770).近年では早期発見の増加と治療の進歩により,さらに突然死する率が低下しているともいわれている771).

7218例の解析でQRS幅が1 ms増加するたびに心室頻拍発生のオッズ比が1.031上昇するとされている772).術後3日を超える一過性房室ブロックの既往が,突然死と強い関連があるとの報告もある318).Fallot四徴心内修復術時の経心房心室中隔欠損閉鎖により致死性不整脈や右室機能不全が減少するとの報告があり773),上室不整脈が増加することもないとされる774).しかしそれに対して懐疑的なレビューもある775).本邦における多施設共同研究では,ペースメーカを装着していない完全房室ブロックと心室頻拍が遠隔期の主要な予後悪化因子であったが,欧米に比して重大な不整脈の発生率は低いと報告されている341).

Fallot四徴の術後例の突然死を一つの指標で予想することは困難であるが,高度の右室流出路狭窄,重度の肺動脈弁閉鎖不全の存在は心室不整脈の発生率を上昇させ,中等度以上の左室機能不全または右室機能不全は突然死を引き起こす可能性がある772, 776).したがって,中等度以上の左室機能不全または右室機能不全があり,かつ心室頻拍がある場合は,抗不整脈薬の投与,電気生理学的検査,カテーテルアブレーションなどを検討すべきである(推奨クラスIIa,エビデンスレベルB) 237, 745, 771).

ICD植込みは持続性心室頻拍や心停止が確認された例ではもちろん考慮する必要があるが,フランスの大規模分析で,Fallot四徴心内修復術後でICDを植え込まれた165例においては,QRS fragmentationがICD植込みを予見する唯一の適切な因子であるとの報告もある777)(推奨クラスIIa,エビデンスレベルB)

16).レジストリーデータでもその

有用性が示されている778).以上に関しては,第2章の「3.不整脈,突然死」も参照されたい.

6.3.4 大動脈弁閉鎖不全

Fallot四徴患者は一般に術前術後を通じて大動脈弁輪径が大きい.また,年齢が長じるにしたがって,大動脈弁閉鎖不全(AR)の合併が増加するといわれる471).もともとの心室中隔欠損がperimembranous(膜様部周囲型)ではなくconus defect(漏斗部欠損)である場合には,大動脈弁輪の拡大とARの発生が多いとされている779).心内修復術後における大動脈弁置換術の適応に明確な基準はないが,通常のARに対するガイドラインなどを参照して検討すべきである780).

6.3.5 三尖弁閉鎖不全

三尖弁閉鎖不全は肺動脈弁閉鎖不全に随伴し,右室の容量負荷による弁輪拡大から生じることが多く,PVRにより右室容積が減少すれば消失することもあるが,重度の三尖弁閉鎖不全は心イベントの危険因子となるので781),心室中隔欠損の閉鎖に伴い三尖弁中隔尖が癒着している場合などは,肺動脈弁への外科的介入と同時に介入することが推奨される.

6.3.6 感染性心内膜炎

Fallot四徴術後例の30年にわたる長期観察期間中に1.3%が感染性心内膜炎に罹患した782).2007年に改訂された感染性心内膜炎予防についてのAHA/ACCのガイドラインでは,CHD術後において内皮で覆われない人工膜や人工物の近辺に遺残病変が存在する場合は,歯肉組織,歯根部,口腔粘膜穿孔などの歯科処置や,気道のほか感染した皮膚,皮膚組織および骨格組織に対する手術手技の施行時に,抗菌薬の内服や静注による感染性心内膜炎予防処置を行うことが推奨されている(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC) 783).Fallot四徴術後は内皮で覆われない人工膜や人工物を使用していることがあり,肺動脈弁閉鎖不全,右室流出路狭窄,残存心室中隔欠損などの合併によって,ガイドラインで高リスクとされている病状に該当する患者が多い.

7 両大血管右室起始

両大血管右室起始(DORV)という用語には大きく分け