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ではあるが,合併症回避の観点からは生体弁置換術が選択される傾向にある.乳児期以前に発症する重症例の予後は不良である. 三尖弁手術後の三尖弁機能不全は経年的に増悪しやすく,左室病変や左室機能低下を生じることがある716)が,これは心機能低下後に三尖弁手術が行われることに起因している.WPW症候群を合併しやすいため(約30%),房室回帰性頻拍がみられることが多いが,他に房室結節リエントリー性頻拍や心房内リエントリー性頻拍・異所性心房頻拍・心房細動などの上室頻拍,心室頻拍,徐脈頻脈症候群も認めることがある720). 5.4 内科的管理 内科的管理の方法は患者の病態に応じて行う.外来受診の頻度は軽症では1~2年ごととし,必要に応じて胸部X線,心電図,ホルター心電図,心エコー法により検査を行う.より正確な形態や病態の把握には経皮酸素飽和度測定に加え,MRIやCTを用いた画像診断や運動負荷試験を適宜加える.中等症以上の病態では観察や評価の頻度を多くすること(3~6ヵ月ごと)が望ましい.詳細はAHA/ ACCの2018年ガイドラインのTable 26を参照されたい3). 定期的投薬を行う例では1~2ヵ月に1回,病状が安定している場合は6ヵ月~1年に1回の頻度で経過観察を行う.三尖弁閉鎖不全の進展,左室機能低下に注意する.心不全を伴わないかぎり,運動クラブを除いて運動制限は必要ない. Ebstein病患者の妊娠にはACHD専門医のカウンセリングが必要である.多くの症例では適切な管理下で妊娠,出産が可能であるが,チアノーゼ合併症例では胎児死亡,低出生体重のリスクが高い721).児がCHDを発症する可能性は約6%である48).NYHA心機能分類I ~II度の症例は一般的に妊娠に対する忍容性が高いが,不整脈を有する症例においては可能なかぎり妊娠前にカテーテルアブレーションなどで治療することが望ましい. 感染性心内膜炎の発症は少ないが,修復後,非修復例いずれでも予防することが望ましい.特に三尖弁置換後は予防処置が必要である. 5.5 遠隔期の侵襲的治療 表35 Ebstein 病の術後遠隔期における侵襲的治療の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 外科的治療重度の三尖弁逆流とともに易疲労感などの症状を伴う運動耐容能低下例に行う. I C刺激伝導系の解剖を熟知し,先天性心疾患の手術に精通した外科医が執刀する. I C弁の治療と同時に心房中隔欠損を含む心房間交通の閉鎖を行うが,右室機能によっては交通口を残し,中心静脈圧の上昇を抑える. I C症状が悪化した症例には右室機能が進行性に低下する前に考慮する. IIa Cカテーテル治療症候性不整脈や心電図上の早期興奮のある症例で,電気生理学的検査とそれに引き続くカテーテル治療または外科手術が予定されている場合には,不整脈の外科治療を行う. I C全身の奇異性塞栓症の既往例に対して,心房間交通のカテーテル閉鎖を考慮する.ただし,カテーテル治療前には右房圧の上昇や心拍出量低下がないことを十分に検索する. IIa C安静時酸素飽和度<90%が持続する例には心房間交通の閉鎖を考慮する.ただし,カテーテル治療前には右房圧の上昇や心拍出量低下がないことを十分に検索する. IIa C (Baumgartner H, et al. 2021 563)を参考に作表) 5.5.1 頻脈性不整脈 Ebstein病に合併するWPW症候群,房室結節リエントリー性頻拍,心房粗細動,心室頻拍は術前からみられることが多く,術後の病状悪化や突然死にも関連するため,術前にカテーテルアブレーションを行うか,手術時に副伝導路の切断や右房メイズ手術を併用することが多い722–724).そのため術後不整脈に対するまとまった報告はみられないが,術前同様に積極的に適応を検討する(推奨クラスIIa,エビデンスレベルC).副伝導路に対するカテーテルアブレーションは,右房拡大や三尖弁下方偏位により固定が困難であることや複数副伝導路が多いことから,器質的心疾患のない症例の副伝導路のカテーテルアブレーションより成績は劣るものの,約70~80%と良好な成功率であ