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る612).このように選択の根拠とするデータがまだ少ない領域で個々の事例を検討する際に,患者・家族に関する情報を医療チームに提供することは看護師の重要な役割である. 8.3 家族支援 ACHD患者の通常の診察に親が同席する,治療についての意思決定の際に家族と本人の考えが異なり,話し合いに時間を要する,などの状況はしばしばあり,患者家族からは「本人に任せるタイミングがわからない」という話も聞く.家族は出生直後から成人期まで長い期間,疾患や経過に不安を抱えて過ごしてきており,その思いも踏まえながら,本人が意思決定の主体へと移行できるように,家族への支援も行う. また,CHD患者は約8%が染色体異常,約5%が単一遺伝子病613)であり,中等度以上の知的障害を合併する場合,日常生活全般に介助を要するが,親は高齢になると患者の将来に不安を抱える.また手術や終末期など治療の選択の際には,本人のQOLと苦痛を考えると積極的な治療を選択できないこともあり,家族は自責の念をもち葛藤する.このような家族に対し,福祉制度についての情報提供や利用の促し,意思決定を支える情緒的支援が必要とされる. 8.4 相談,調整 患者や家族からの相談は,治療に関することだけでなく,成人期の医療費公費負担や福祉制度,学校生活,就業, 友人・家族関係,妊娠・避妊,育児負担など,医師には尋ねにくい内容が含まれる.CHD・心不全患者の心理面への介入は治療成果にも関連する614).また,さまざまな専門医との協働や精神科医,臨床心理士,歯科医,ソーシャルワーカーなど多職種との連携ができるよう,その調整役割も看護師が担う615). 8.5 看護相談,看護外来 2020年現在,診療報酬で算定されている外来での看護相談または看護外来は,在宅酸素療法など医療器具を使用する在宅療養管理指導,糖尿病透析予防管理指導,がん患者指導管理,外来緩和ケア管理,入退院支援などであり,CHD外来患者の疾患管理や療養相談は算定されていない.そのため,看護相談や看護外来を専門に行う看護師が配置されにくい.また,小児科で診療する場合,診療介助や感染症患者の処置・対応に時間を要し,成人患者の相談の時間が確保されにくい. 今後,循環器疾患患者への外来療養相談の診療報酬算定が望まれる.同時に,現在各施設において体制を工夫しつつ関わっている看護師の実践知と研究成果の共有,そのエビデンスの蓄積が必要とされる.