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p.102 抽出テキスト

機械弁置換術後患者に対してアスピリン単独投与を行うべきではない. III Harm B D II機械弁置換術後患者に対して直接経口抗凝固薬(DOAC)を投与するべきではない. III Harm B D II PT-INR:プロトロンビン時間国際標準化比[2020年改訂版 弁膜症治療のガイドラインからの変更点]表47 の「機械弁」の内容を流用し,Mindsの推奨グレードとエビデンス分類を追加.第2項を追加. (日本循環器学会ほか. 2020 666)より改変)

機械弁置換術後遠隔期において抗血栓療法が推奨される.機械弁を用いた大動脈弁置換術後は成人期と同様のワルファリン投与を行う(推奨クラスI,エビデンスレベルC).一般に心房細動や過去の血栓塞栓症の既往,高度心機能低下,何らかの過凝固状態などの危険因子がない症例において,機械弁を用いた場合はプロトロンビン時間国際標準化比(PT-INR)2.0~2.5を目標としてワルファリン投与を行う.さらにワルファリンに少量アスピリン(75~100 mg/day)を追加することを推奨する報告もある1094).生体弁を用いた大動脈弁置換術の3~6ヵ月後以降で危険因子がなければ,抗血栓療法は不要である.

心機能低下を呈する症例では必要に応じて心保護薬の投与が推奨される(推奨クラスI,エビデンスレベルA).

16.4 遠隔期の侵襲的治療の適応と時期

16.4.1 弁閉鎖不全,弁狭窄

表46 大動脈弁手術後遠隔期の弁閉鎖不全,弁狭窄に対する介入の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベルMinds

推奨グレードMinds

エビデンス

分類

大動脈弁閉鎖不全(AR)有症候性重症AR に対して大動脈弁手術を行う. I B A II無症候性慢性重症AR で,左室機能不全(LVEF <50%)を認めた場合に大動脈弁手術を行う. I B A II無症候性慢性重症AR でLVEF ≧50 %であるが, LVESD >45 mm の症例に対して大動脈弁手術を考慮する. IIa B B II無症候性慢性重症AR でLVEF ≧50 %であるが, LVEDD >65 mm の症例に対して大動脈弁手術を考慮してもよい. IIb C C1 III

大動脈弁狭窄(AS)有症候性の重症AS を有する患者に対して介入を行う. I B A II無症候性の重症AS を有し,心機能低下(LVEF <50%)を認める患者に対して介入を行う. I C A III無症候性の超重症AS(Vmax ≧5 m/s,mPG≧60 mmHg,またはAVA ≦0.6 cm2)を有し,低手術リスクの患者に対して介入を考慮する. IIa B B II LVEF:左室駆出率,LVESD:左室収縮末期径,LVEDD:左室拡張末期径,AVA:大動脈弁口面積[2020年改訂版 弁膜症治療のガイドラインからの変更点]表27 の第1,2,4,6項,表32 の第1,2,6項より.Mindsの推奨グレードとエビデンス分類を追加. (日本循環器学会ほか. 2020 666)より改変)

術後遠隔期の再手術の適応は通常の弁膜症治療のガイドラインに準じる666).ただし,比較的若年で初回手術を受けることが多いため,再手術・再インターベンションの適応,時期,術式を決定する際には,患者の年齢や臨床背景,再手術となることによるリスクなどを,症例ごとに十分に考慮することが重要である.再手術は回数が多くなるほど,また左心機能低下例ほどリスクが高い.

16.4.2 人工弁機能不全,人工弁相対的狭窄

表47 大動脈弁および僧帽弁の人工弁置換術後遠隔期における手術の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベルMinds

推奨グレードMinds

エビデンス

分類

左心系人工弁の血栓弁による弁葉の可動制限・症状が出現した場合に低用量血栓溶解療法または緊急手術を行う. I C A III心不全症状のある重症の人工弁狭窄症に対して外科的再弁置換術を行う. I C A III