p.28 抽出テキスト
検査前確率 (図2) に基づく非侵襲的検査 (図4) 侵襲的冠動脈造影検査± FFR/NHPRs LMCA 病変 血行再建が推奨される (予後改善目的)広範囲の虚血の原因となる冠動脈病変 (非LMCA病変) SDMに基づく血行再建 が推奨される(予後改善目的)至適薬物治療抵抗性の冠動脈病変 (非LMCA病変) SDMに基づく血行再建 が推奨される(症状改善目的) 以下の場合,FFR/NHPRsを考慮・ 非侵襲的検査所見と冠動脈造影検査所見が不一致・ 責任病変と考えられる中等度狭窄病変の機能的な確認が必要 非侵襲的検査による解剖学的評価/虚血評価で 高リスクが示唆されるまたは 評価困難(図4)あるいは至適薬物治療に抵抗性の症状(図6) ACSの除外 特別な考慮が必要な病態(第5章)・ 低左心機能/心不全・ 高度腎機能障害・ 高齢者/フレイル 図5侵襲的冠動脈造影と冠動脈内圧測定の結果に基づく血行再建の適応侵襲的冠動脈造影はCAD患者で血行再建の候補となる高リスクの病態(near-ACS,OMT抵抗性の狭心症,LMCA/LMCA相当の病変,進行した腎臓病,あるいは心不全・左室機能不全)を伴う場合,もしくは非侵襲的画像検査で診断できないかリスク評価ができない場合に検討されるべきである.非侵襲的画像検査が行えない場合,もしくは非侵襲的画像検査の所見から結論が出ない場合,侵襲的冠動脈造影上の中等度狭窄病変に対する冠動脈内圧測定(FFRや瞬時拡張期冠内圧比[iFR])が冠動脈血流制限を有する冠動脈病変の同定に有効である.最後に,冠血行再建が考慮される場合は,治療する医師と患者が協働して治療選択する共同意思決定(shared decision making: SDM)を積極的に行っていくべきである. CAD, coronary artery disease; FFR, fractional flow reserve; LMCA, left main coronary artery; NHPRs, hyperemic pressure ratios; SDM; shared decision making た5).したがって,現在の安定CAD患者に対する基本的な治療コンセプトは1侵襲的検査を検討する前に,症状緩和のために必要な薬剤(抗狭心症薬)を投与し,高リスクの特徴が存在しなければ保存的治療を続ける,2心血管イベントを回避するために,症状の如何や血行再建の有無に関わらず低用量アスピリンなどによる抗血栓療法と目標値を目指した脂質低下療法を行うことになる.AHA,ESCなどの国際的な診療ガイドラインでもOMTが推奨されているが,観察研究からの報告によると,実臨床においては 症状の緩和と二次予防のために,目標設定をして薬理学的治療を強化し,生活習慣を改善することは,しばしば至適内科治療(optimal medical therapy: OMT)と称される. COURAGE試験とBARI-2D試験以来,OMTは安定CADの根幹をなす管理法と位置づけられている142, 204).両試験の結果およびISCHEMIA試験の結果から,OMTの厳格な遵守(ISCHEMIA試験の参加者は95%以上に抗血小板薬とスタチンが処方されていた)によって,大多数の安定CAD患者は保存的管理が可能であることが証明され 第4章 至適内科治療(OMT)