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p.21 抽出テキスト

CACスコアがCADのすべての範囲のPTPに対してゲートキーパーになりえることを保証できる大規模研究はない64).

1.3.2 Fractional Flow Reserve-Computed Tomography(FFR-CT)

近年,FFR-CTが,血行再建を行う意義のある機能的有意狭窄を検出する新たな非侵襲的検査法として登場した. FFR-CTは代替的な機能的評価の検査法であり,その他の非侵襲的機能的イメージングと並列の位置づけで使用することが可能である.FFR-CTに関する真の対費用効果はいまだ議論のあるところだが72),FFR-CTを使用することで不要な侵襲的冠動脈造影を減らすことが可能であることが示されている70, 71).

FFR-CTに関する近年の知見・ FFR-CTはCCTAにおける中等度狭窄が有意な機能的

狭窄か否かの判定に有用であり,特に多枝病変例における虚血の原因となりうる冠動脈の決定に有効である65-67).・ 従来のCCTAにFFR-CTを追加することで,特異度,

陽性的中率,および診断精度が向上する68).・ CADが疑われ,CCTAで動脈硬化が確認された5,083

例の患者を解析した国際多施設前向き研究であるAssessing Diagnostic Value of Non-invasive FFRCT in Coronary Care (ADVANCE) FFRCT RegistryのFFR-CT施行1年後アウトカムによれば,すべての患者でイベント発生率は低く,さらにFFR- CT陰性患者では,FFR-CT異常値を伴う患者と比較して,要した血行再建の件数,発生した主要心血管イベント(MACE)は少ない傾向にあり,さらに心血管死や心筋梗塞が有意に少ないことを示した69).

1.4 放射線被ばく

CTと核医学検査において放射線被ばくは留意すべきで,特に画像検査が複数回にわたる場合は累積被ばく線量の増加が懸念される.CTについては近年の技術革新によりスキャナーのスペック向上や逐次近似などの再構成技術の進歩により実効線量(effective dose: ED)の著明な改善が実現しており43, 73),核医学でも被ばく低減のためにいくつか提言がなされている74).放射線被ばくとCAD関連画像検査に関する近年の知見

・ 核医学MPIにおける世界規模の累積実効線量(ED)

調査であるInternational Atomic Energy Agency (IAEA) Nuclear Cardiology Protocol Cross-Sectional Study (INCAPS)は,ED の中央値が全体で10.4 mSv/スキャンであり,米国心臓核医学会より推奨されているED中央値(9 mSv)を満たしていた検査室は全体の30%であったことを報告した75, 75a).・ INCAPSの国特異的な調査において,Otsukaらは,

本邦のEDは明らかに高く(14.0±5.5 mSv),これは主に201TLの頻回使用が影響した結果であることを報告した74).・ Danadらは,平均EDはsnapshot CT-MPIで5.9 mSv,

dynamic CT-MPIで9.2 mSvと推定した76).CCTAを解剖学的評価のみの目的で使用する場合,EDは1回のスキャンで3~5 mSv/スキャンである43, 77).

2 トレッドミル運動負荷心電図

JCSガイドラインおよび米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)ガイドラインにおいては,主としてトレッドミルを用いた運動負荷心電図検査は,対費用効果をふまえて,運動可能で解釈可能な安静時心電図を有し,CADの検査前確率(pre-test probability: PTP)が中等度の症例において,安定CADの診断に推奨されていた60, 78).このような推奨にも関わらず,ISCHEMIA試験では,初期の診断的検査のために運動負荷心電図が施行された症例はわずか24.5%であった5).また,ESCガイドラインでは,運動負荷心電図は閉塞性CADの診断における感度と特異度が限定的であるため,初期診断検査として推奨しておらず,あくまでも“代替的アプローチ”の位置づけである15).総じて運動負荷心電図の診断能は,患者のPTPが極めて高い(≧80%),もしくは低い(≦19%)のときに妥当と考えられる11).

運動負荷心電図検査施行には,不安定狭心症を惹起する可能性や血行動態を悪化させる恐れが存在する.また本邦では運動負荷試験には医師の監視を要する.運動負荷心電図検査施行に伴うこのような欠点,その低い診断能と得られるベネフィットを常に考慮すべきである79).

本フォーカスアップデートでは,運動負荷心電図はPTPが低い患者において,運動誘発性の虚血性変化がないことを確認する目的で考慮してもよいとしている.ただし,(機