p.98 抽出テキスト
システマティック・レビューの結果,3 つの後ろ向き観察研究が存在した377, 482, 483).2 つは年齢調整されず,AS群が高齢であった(MacBrian 2009 377)年齢:AS あり群86歳, AS なし群78 歳,Rostago 2019 483):87 歳 vs 83 歳). Leibowitz 2009 482)は年齢調整されていた.症候性,無症候性を分けて吟味している研究はなかった. a.30 日死亡(図29 377, 482, 483)) 3 つの観察研究(AS 群94 例,非AS 群4069 例)のメタ解析ではRR 1.84(95%CI 0.79-4.27)で有意差がなかった.年齢調整された1 つの研究(120 例)では,RR 0.92(95%CI 0.19-4.31)と有意差がなかった.「AS は死亡を増加させるとは言えない」とした. b.30 日急性心筋梗塞(図30 482, 483)) 2 つの後ろ向き観察研究(435 例)で吟味された482, 483).メタ解析ではRR 5.51(95%CI 0.56-54.45)であった.年齢をマッチした研究(120 例)では,RR 1.38(95%CI 0.13- 14.65)で有意差なしであった482).結論として「心筋梗塞のリスクを増加させるとは言えない」とした. c.30 日急性心不全(図31 482, 483)) 2 つの後ろ向き研究(435 例)のメタ解析から,AS による急性心不全のRR 9.91(95%CI 1.92-51.30),年齢調整した研究(120 例) 482)でも有意差はないが,RR 4.13(95%CI 0.72-23.57)であり,「急性心不全リスクを増加させる可能性がある」と結論した. d.KQ5-1 の答え まとめると,重症AS は,大腿骨頸部/ 転子部骨折手術周術期に死亡リスク,急性心筋梗塞リスクを増加させるとは言えず,急性心不全リスクを増加させる可能性がある(エビデンスの確実性はそれぞれD,D,D). C.1.2 術前AVR の益の望ましい効果 KQ5-1 から,AS があると,大腿骨近位部骨折術後,心不全リスク(アウトカムの重大性:7)は増加する可能性がある.リサーチエビデンスはないが,AVR が成功すると,そのリスクは減少する可能性があると推測する(益).望ましい効果は「わずか」と判断した. C.2 術前AVR の害について 害に関するアウトカム:疼痛(アウトカムの重大性:8, バイアスリスクA-P はCQ1 の表61 を参照図29大腿骨頸部/ 転子部骨折手術の周術期における重症大動脈弁狭窄症の有無による30 日死亡の比較(Leibowitz D, et al. 2009 482), McBrien ME, et al. 2009 377), Rostago C, et al. 2019 483) より作成)重症AS でリスク低←· →重症AS でリスク高 重症AS でリスク低←· →重症AS でリスク高 個別研究バイアスリスクグレードを上げる要因非直接性研究コードA B C D E F G H I J K L M N O P Leibowitz 2009 –1 0 0 0 –1 0 –1 0 0 0 0 –1 0 0 0 –1 McBrien 2009 –2 0 0 0 –2 0 –2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 Rostagno 2019 –2 0 0 0 –2 0 –2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大動脈弁狭窄症のリスク 大動脈弁狭窄症のリスク(年齢調整あり) 個別研究バイアスリスクグレードを上げる要因非直接性研究コードA B C D E F G H I J K L M N O P Leibowitz 2009 –1 0 0 0 –1 0 –1 0 0 0 0 –1 0 0 0 –1