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p.80 抽出テキスト

あれば,延期を選択することに対する「重要な不確実性またはばらつきはおそらくなし」と考える.ただし,悪性腫瘍など時間的制約のある手術の場合,患者の価値観にはばらつきが生じると考える. F コスト

成人を対象とした患者視点の費用対効果分析の研究を特定することはできなかった.延期期間によるコストの差はあまりないことが推測される. G 容認性

待機手術であれば,患者の容認性は高いと想定される.時間的制約のある手術の場合は,患者の容認性は低下することが推測される. H 実行可能性

何か侵襲的介入をするわけではないので,どの施設でも実行可能である. I 推奨のグレーディング

パネル会議で,以下の付帯事項を付けることを結論とした.

最短延長期間は1 ヵ月か,1.5 ヵ月かは結論を出すのは困難である.1.5 ヵ月以降の,いつまで延期することがよいかについては,このCQ でのシステマティック・レビューでは検証していない.

長期間延期できない時間的制約のある手術については,適切な手術時期,周術期管理について,1ステント血栓症リスク(血栓症発症率,発症した場合の心筋梗塞範囲), 2抗血栓療法継続による出血リスク(出血率,出血による臓器障害),3手術延期の害などを外科医,麻酔科医,循環器内科医など関係する多専門科集学的チームが包括的に検討することが重要である.

修正デルファイ法(RAND 法)を用いた投票で,投票率100%,中央値8.0,見解不一致指数0.056,同意率(7 以上の割合)100% で承認とした. J 関連する他の診療ガイドラインの記載J.1 日本循環器学会 2020 年フォーカスアップデート版冠動脈疾患患者における抗血栓療法210)

冠動脈ステント留置後1 ヵ月以内の患者に対して,待機的非心臓手術を施行すべきではない(推奨クラスClass III Harm,エビデンスレベルB). J.2 2017 ESC focused update on dual antiplatelet therapy in coronary artery disease developed in collaboration with EACTS (p. 32)

241)

PCI 後,少なくとも1 ヵ月は延期(Class III,B),1 ~ 6 ヵ月に手術(ACS やステント血栓症リスクが高いときはClass IIa,B,ACS でなくステント血栓症リスクが高くないときはClass IIb,C),6 ヵ月延期(Class I,B). ACS でA 背景,この問題の優先度

PCI 後1 年以内に約10% 236, 284, 466),2 年以内に17% に非心臓手術が必要になる264).PCI 後は,ステント血栓症のリスクがあり,しばしば急性心筋梗塞で発症し,死亡率が10 ~25% とされる467).PCI 後は一定期間抗血小板薬

CQ 3冠動脈ステント留置の既往を有するために抗

血小板薬内服中の患者に非心臓手術を施行する際に,アスピリン継続下で手術を行うことは推奨されるか?

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)でステント留置の既往を有するために抗血小板薬内服中の患者に非心臓手術を施行する際に,出血リスクが高くなければ,アスピリン継続下で手術を行うことを提案する. (GRADE 2C)(推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデンスの確実性「低」)

推奨

ステント留置後,または,ステント血栓症リスクが高い場合は6 ヵ月延期を推奨(Class I,B). J.3 2016 ACC/AHA Guideline Focused Update on Duration of Dual Antiplatelet Therapy in Patients With Coronary Artery Disease

465)

待機手術において,ベアメタルステント(BMS)1 ヵ月,薬剤溶出ステント(DES)ならば,理想的には6 ヵ月延期する(Class I,B,non-randomized).

抗血小板薬2 剤併用療法(DAPT)の中止が必要な手術ならば,BMS で1 ヵ月以内,DES 3 ヵ月以内にしてはいけない(Class III Harm,B,non-randomized).

DES でP2Y12 阻害薬を中止が必要な手術なら,延期がステント血栓症のリスクを上回る場合,3 ヵ月後に施行してもよい(Class IIb,C,Expert Opinion) K 治療のモニタリング

周術期には,急性心筋梗塞が生じていないかを注意する.高リスク患者は,術後,48 ~72 時間,ECG,トロポニンによるサーベイランスを考慮してもよい. L 監視と評価

急性心筋梗塞発症率,死亡率,心臓死率,延期に伴う原疾患の悪化,長期予後への影響を監視し評価する. M 今後の研究の可能性

1 ~1.5 ヵ月以降どこまで延期すべきか,RCT が望まれる(例P:待機手術患者,I:3 ヵ月以降,C:1 ~3 ヵ月後, O:心血管イベント).