p.78 抽出テキスト
システマティック・レビューにて,RCT はなく,9 つの観察研究論文を採用した.採用した論文:van Kuijk 2009 273), Chia 2010 463), Tokushige 2012 264),Tokushige 2013 238),Hawn 2013 236),Bangalore 2015 464),Rossini 2016 271),Egholm 2016 265),Holcomb 2014 268) C 益と害のバランスC.1 望ましい効果(表62 Summary of findings table 264, 265, 268, 463)) C.1.1 全死亡(図17 238, 265, 268)) 3 つの観察研究(68,471 例) 238, 265, 268)で検討された.PCI後1 ~1.5 ヵ月以降に非心臓手術を行うと,それ以内に行う群に比べ,全死亡に対する効果推定値は,絶対リスク差で3.2%(95%CI 2.5%-3.7%)少ない. C.1.2 心臓死(図18 265)) 1つの観察研究(4303 例) 265)で検討された.PCI 後1 ~ 1.5 ヵ月以降に非心臓手術を行うと,1 ~1.5 ヵ月以内に手 術する群に比べ,全死亡率の効果推定値は絶対リスク差で4.5%(95%CI 4.2%-4.7%)少ない. C.1.3 周術期急性心筋梗塞(図19 238, 265, 268, 463)) 4 つの観察研究(69,204 例) 238, 265, 268, 463)で検討された. PCI 後1 ~1.5 ヵ月以降に非心臓手術を行うと,効果推定値は絶対リスク差で5.3%(95%CI 2.7%-6.3%)少ない. C1.4 主要心血管イベント 236, 264, 268, 271, 273, 464) この6 つの研究では,含まれるイベントが一致していないため,メタ解析は行っていない.4 つの研究では,PCI後1 ~1.5 ヵ月以降に手術を行ったほうがイベントは有意に減少した.それぞれの相対リスク(RR) (95%CI)は,0.21 (0.13-0.33) 264),0.38(0.33-0.43) 236),0.31(0.28-0.35) 268), 0.59(0.40-0.87) 273).2 つでは有意差なし(0.83(0.65-1.06) 464), 0.32(0.08-1.24) 271).RR はReview Manager で得た値を用いた. C.1.5 望ましい効果のまとめ中程度とした. C.2 望ましくない効果 不安に関するリサーチエビデンスはなかった.追加的考察 手術が延期されると不安は生じる可能性がある.非心臓手術を延期すると,悪性腫瘍など時間的制約のある手術の場合,原疾患の悪化が懸念される.待機できる手術に関しては,1 ~1.5 ヵ月以上の延期での望ましくない効果は「わずか」と判断した. C.3 益と害のバランス 手術対象となる原疾患の手術が,一定期間延期可能な待機手術であれば,1 ~1.5 ヵ月以上延期すると益が害を上回ると考える(介入が優位). D エビデンス総体の確実性 吟味したすべてのアウトカムが介入群で改善した.もっとも重要なアウトカムの死亡に関するエビデンスの確実性を引用し「低(C)」とした. E 患者の価値観「アウトカム」の優先順位に対する価値観の論文は存在しなかった.追加的考察 手術対象になっている疾患が十分延期できる待機手術で 表62 冠動脈ステント留置既往症例の非心臓手術を経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後1 ~1.5 ヵ月以降に施行する 益に関するSummary of findings table 研究デザイン 研究数患者数PCI 後1-1.5 ヵ月 以内に手術(コントロール群) * PCI 後1-1.5 ヵ月 以降に手術** (95%CI)相対リスク*** (95%CI)絶対リスク差** (95%CI)確実性重要度起きること 周術期全死亡観察研究 3 68,471 4.5% 1.3% (0.8%-2.0%) 0.28 (0.18-0.45) 3.2% 少(2.5% 少-3.7% 少) C 1 9 総死亡が減少 する 周術期心臓死観察研究 1 4303 4.9% 0.3% (0.2%-0.7%) 0.07 (0.04-0.14) 4.5% 少(4.2% 少-4.7% 少) D 2 9 心臓死が減少 する 周術期急性心筋梗塞観察研究 4 69,204 6.9% 1.5% (0.6%-4.2%) 0.22 (0.08-0.61) 5.3% 少(2.7% 少-6.3% 少) D 3 8 心筋梗塞が減 少する *対照研究の発症率** コントロール群の発症率と相対リスクから計算*** メタ解析(Review Manager 使用)より得た値1 いずれの研究でも背景調整は行っていないが,各研究の推定値と信頼区間のばらつきも少ない.観察研究であり,C とした. 2 一つの観察研究しかなく,1つダウングレードしてD とした. 3 推定値にはばらつきがあり,いずれの文献でも背景の調整は行っていないため,エビデンスの確実性を一つダウングレードしてD とした. (Tokushige A, et al. 2013 238), Egholm G, et al. 2016 265), Holcomb CN, et al. 2014 268), Chia KK, et al. 2010 463)より作表)