p.76 抽出テキスト
観察研究が,同じ結果を示しているため,RCT の評価を用いてB とした. E 患者の価値観 アウトカムの優先順位に対する価値観の論文は,存在しなかった. 追加的考察として,パネルから,以下の意見が出た.血行再建もClass I,非心臓手術もClass I 適応の場合,どちらを患者が優先するかは,心疾患と原疾患(非心臓手術対象になっている)がどれくらい患者にとって関心の高い事項かも影響する.冠動脈疾患が安定しており,さらに,時間制限のある手術(例:悪性腫瘍),準緊急手術(例:大腿骨頸部骨折,胆嚢炎など)では,非心臓手術を先行する価値観が多いと推測される. F コスト 成人を対象とした患者視点の費用対効果分析の研究を特定することはできなかった.患者個人が支払う費用の概算を計算する. 日本での入院費用として冠動脈バイパス術は約300 万円459, 460),経皮的冠動脈形成術で140 ~150 万円461)と報告されている. わが国では,個人が支払う医療費については,高額医療制度にて上限が定められている.たとえば,患者の年収が約370 万~約770 万円の場合,1 ヵ月の自己負担限度額は以下である462). 80,100 円+(医療費-267,000)×1%冠動脈バイパス術が300 万円ならば10.7 万円,経皮的冠動脈形成術が140 万円ならば9.1 万円と計算される.中等度のコストがかかる. G 容認性 非心臓手術術前に予防的血行再建をするとなると,手術が延期されるため,時間的制約のある手術を受ける患者の容認性は低いと考えられる.延期できる待機手術ならば容認性は十分に高いと考える.外科医や麻酔科医の容認性は不明である.容認性は「さまざま」とした. H 実行可能性 もし予防的血行再建が必要となると,専門施設が必要である.専門施設外なら専門施設への紹介をすれば実行は可能である. 表61 バイアスリスク,グレード上昇要因,非直接性の評価A-P 観察研究ランダム化研究(RCT)バイアスリスク*バイアスリスク* A背景因子の差(選択バイアス) Aランダム化(選択バイアス) Bケアの差(実行バイアス) Bコンシールメント(選択バイアス) C不適切なアウトカム測定(検出バイアス) C盲検化(患者,治療者)(実行バイアス) D不完全なフォローアップ(症例減少バイアス) D盲検化(評価者)(検出バイアス) E不十分な交絡の調整E intension to treat(症例減少バイアス) Fその他のバイアスFアウトカム不完全報告(症例減少バイアス) GバイアスリスクまとめGバイアスリスクまとめ 上昇要因**非直接性* H量反応関係H対象I効果減弱交絡I介入J効果の大きさJ対照Kグレードを上げる要因まとめKアウトカム 非直接性* L非直接性のまとめ L対象M介入N対照OアウトカムP非直接性のまとめ*バイアスリスク,非直接性各ドメインの評価は「高(-2)」,「中/ 疑い(-1)」,「低(0)」の3 段階まとめは「高(-2)」,「中(ー1)」,「低(0)」の3 段階でエビデンス総体に反映させる. **上昇要因各項目の評価は「高(+2)」,「中/疑い(+1)」,「低(0)」の3 段階まとめは「高(+2)」,「中(+1)」,「低(0)」の3 段階でエビデンス総体に反映させる.