p.66 抽出テキスト
阻害薬,スピロノラクトンもAF 予防効果がないと報告されている434, 435). 11.2.6 周術期マネージメント(図13)420) POAF に対する治療方針は,非周術期と同じである.すなわち,レートコントロール,抗凝固療法,リズムコントロールの必要性について吟味する.症状が強いか,血行動態が安定しない場合には,電気的除細動や抗不整脈薬による停止を試みる203).周術期に,腎機能に関わらず使用可能で,心機能抑制(陰性変力)作用が少なく,血行動態に影響を与えないという意味では,アミオダロン静注が使用しやすい.さらにアミオダロンには徐拍化効果もあることが知られている(保険未収載).超短時間作用型のβ遮断薬 であるランジオロールは,周術期のAF 治療に有効であり,徐脈や血圧低下が起きても,中止により速やかに効果が減弱するため低心機能例でも使用しやすい436). a. POAF に対する抗凝固療法 非心臓手術後のPOAF 例のうち24.4% に抗凝固療法が導入され,そのうち35.5% は1 年後でも継続されていた.抗凝固療法は,血栓塞栓症リスク低下と関連していた(調整HR 0.52,95%CI 0.40-0.67) 437). POAF に対する抗凝固療法の適応に関して,エビデンスレベルの高い臨床試験はなく,ASPIRE-AF 試験438)が進行中である.現状では,POAF を合併した場合,通常の非 術前管理血行動態の安定化電解質補正術後心房細動のリスク検討予防薬剤β遮断薬もしくはアミオダロンその他の抗不整脈薬(心機能に応じて)術後管理 循環血液量調整,酸素化,疼痛管理最小限の強心薬,昇圧薬術前予防薬の継続 周術期心房細動 抗凝固療法 有症候?心拍数コントロール困難?リズムコントロール薬剤 or 電気的除細動抗不整脈薬心機能正常:I 群薬心機能低下:アミオダロン 心拍数コントロール心拍数<110 bpm 目標・心機能正常例β遮断薬,Ca 拮抗薬,ジゴキシン・心機能低下例β遮断薬,ジゴキシン,アミオダロン 退院時経過観察薬剤再検討抗凝固療法継続の可否 CHADS2 スコア,出血リスク,患者希望を勘案して決定 Yes No緊急除細動 図13 周術期における心房細動への対応注)アミオダロン静注薬は心房細動に保険適用されていない(Hindricks G, et al. 2021 420)を参考に作図) No Yes 血行動態安定