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になる.

Part 2(第6 章)CQ2 のシステマティック・レビューの結果も同様であり,冠動脈ステント留置後1 ~1.5 ヵ月以内の待機的非心臓手術は実施しないことを推奨する(推奨クラスIII Harm,エビデンスレベルB,表42)(GRADE 1C).

PCI 後1 ~6 ヵ月ではMACE 発生率は3.2 ~15%,6 ~ 12 ヵ月では2.9 ~9.1%,1 年以降では2.3 ~9% とPCIからの間隔が開くほどMACE は低下している.さらに1年以上経過した場合には2 年以上経過した患者と比べリスクは変わらないとの報告があり274),6 ヵ月以内のMACEのオッズ比は1.99 ~2.4 とされている.

このような報告をふまえると,延期が許容される状況であれば,PCI 後1年までは可能な範囲で手術を延期したほうがリスクは低減されると考えられる.他方,緊急手術,準緊急手術,時間的制限のある手術(time sensitive surgery)では十分延期できないこともある.時間的に制限がある可能性のある手術の場合,包括的に,外科医,麻酔科医,内科医でベストタイミングを考えること,さらに患者との協働意思決定を推奨する(図2).

3.4 PCI を実施した適応(ACS vs 非ACS) と周術期リスク

3.4.1 PCI を実施した適応(ACS vs 非ACS)による 差の有無に関する周術期リスク

ACS にてPCI を実施された患者は,非ACS に対しPCIを実施された患者よりも周術期イベントも高くなるという

報告236, 238, 239, 262, 265, 275, 283)と,イベントの予測因子とならないという報告263, 270-272, 276, 282)があり,一貫していない.

3.4.2 非心臓手術までの期間と周術期リスク

ACS でも,手術までの期間が長いと周術期心血管イベントリスクは低下する(第4 章1 急性冠症候群,1.2 ACS後の待機的非心臓手術の施行時期を参照).延期が許容できる状態であれば延期したほうがリスクを低減できることはACS でも非ACS でも変わりない.

本ガイドラインの推奨・提案にあえてPCI の適応がACS であったかどうかは加えないこととする.

4 冠動脈疾患患者の抗血小板薬の 取り扱い

冠動脈疾患患者では,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)実施の有無に関わらず二次予防として,アスピリン(アスピリンが禁忌の患者に対してはP2Y12受容体拮抗薬)の生涯にわたる内服が推奨されている210, 288).周術期の問題点として,その中断による心血管リスク,継続による出血リスクがある.

4.1 PCI 施行歴のない冠動脈疾患患者

PCI 歴のない安定冠動脈疾患患者の長期服用中のアスピリンについて,この患者群のみを対象にした研究はないが,以下のような研究がある.

長期投与のアスピリンを周術期に中止するか継続するかを検討したRCT のメタ解析(5 つのRCT,666 例)では,輸血が必要な出血,止血のための再手術,急性心筋梗塞,脳梗塞リスクに有意差がなかった194).このメタ解析に含まれた研究の対象は,冠動脈疾患,脳梗塞後,動脈硬化高リスク患者などで,冠動脈ステント留置後の割合は,それぞれ25% 195),65% 196),13% 197),不明198),0% 199)であった.

このシステマティック・レビューから除外されたPOISE-2 試験200)(詳細は第3 章1 抗凝固療法以外を参照) 10,010 例(冠動脈ステント留置患者は3.7%)のうち,抗血小板薬長期内服中の患者は4382 例であった.アスピリン継続群は,中止群と比較し,周術期心血管イベントに差がなかった.

長期的に内服中のアスピリンは,血栓リスク,出血リスクのバランスで継続か中止を決定することが重要である.脊柱管,頭蓋内,後眼房などの出血リスクが高い手術では

表42 冠動脈ステント留置後患者の手術時期に関する推奨

とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

冠動脈ステント留置後1~1.5 ヵ月以内の待機的非心臓手術は,周術期心血管イベントが多く,実施すべきではない

* III Harm B

DAPT(抗血小板薬2 剤併用療法)継続下での実施が難しい手術は,冠動脈ステント留置後DAPT が必要な期間が終了するまで延期することを考慮するIIa B *付帯事項: 1. 1 年までは,延期するほど心血管リスクは低下する.時間的に制約がある可能性のある手術の場合,包括的に外科医,麻酔科医,内科医でベストタイミングを考えること,さらに患者との協働意思決定を推奨する2. これはPCI の原因がACS か安定冠動脈疾患かは問わない.デバイスによる差は設けない