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などである.リスクを高める因子があったとしても,リスクを減らすためにどれくらい手術が延期できるかによっても介入の度合いが変わってくる.進行性の悪性腫瘍では,あまり最適化に時間をかけることができないことも想定される.逆に,早期の介入を要する循環器疾患が見つかり,予定されていた非心臓手術よりも優先されることもある. 周術期には心臓合併症のみならず,非心臓合併症が生じることもありうる.慢性心不全患者が非心臓手術を受ける際,心臓リスクのみならず,非心臓合併症リスクも増加する(第4 章5 慢性心不全を参照) 16).臓器横断的評価,最適化を考慮する必要がある.さらに,こうした評価の結果を,手術に関わる麻酔科医,内科医,外科医が共有することは非常に重要である. 3 循環器関連リスク軽減のための 包括的マネージメント 具体的に術前や術後に実施できるマネージメントの選択肢としては,下記のようなものが挙げられる. 1 リスクを下げるために術前に治療介入をする(例:薬物 治療の適正化,血行再建など) 2 術中のモニター(経食道心エコー,動脈ライン,肺動脈 カテーテルなど).麻酔法の吟味3 術式を変更する,あるいは,手術リスクが非常に高い場 合,外科治療以外の代替案を考える4 術後ケアの場所を一般病棟でなく,集中治療室にする5 術後ECG,トロポニンで非心臓手術後心筋傷害(MINS) のサーベイランスを行う循環器領域の評価を行う場合,冠動脈疾患の精査,血行再建のみに注力することが多いが,リスク軽減のためには包括的アプローチが重要である. 4 患者との協働意思決定と 周術期リスクに関する術前の コミュニケーション 特に高リスクの場合,患者との協働意思決定が重要である(図2) 16a).医学的妥当性(各選択肢のリスク・ベネフィット),患者・家族の価値観(ケアのゴール(手術に期待すること),不安・懸念、許容できない状況,許容できる負担と苦痛など)を医療者と患者,家族が共有し,協働意思決定は実践される.その際,まず患者に心血管系のリスクをはじめとするリスクを十分に理解してもらうことが必須である.具体的には,リスクを「高い」「低い」といった言葉やリスク比(例:「あなたの場合,「通常の2 倍です」といった表現),確率よりも,自然頻度の表現(例:「あな 図2 協働意思決定とコミュニケーション(図2B はCooper Z, et al. 2014 16a)を参考に作成) A)協働意思決定 • 治療への期待(ケアのゴール)この手術のあと,どのようになることを期待していますか?治療を受けてこういう状態になりたい,といった治療のゴールを教えていただけませんか? • 治療や療養への不安,懸念手術と術後に際して,気がかりなことは何ですか? • 許容できない状態術後に合併症が起こったとき,「許容できない状態」はありますか? • 許容できる負担・苦痛,許容できない負担・苦痛より状態が悪化したとき,生きるためにどれくらい頑張る覚悟がありますか?回復不能な重篤な状態になった場合はどのようにしてほしいか考えていることはありますか? • 代理意思決定者と価値観の共有代理意思決定者はどなたですか?その方と上記を共有していますか? (日本での実行可能性,妥当性はまだ検証されいないこ とには注意が必要) 医師医学的妥当性• 非心臓手術のリスク,ベネフィット• 心臓への介入をする場合,その負担,リスク・ベネフィット• 各選択肢のリスク・ベネ フィット価値観に基づく推奨価値観 • 大切に思っていること• 治療に期待すること• 治療や療養への不安,懸念• 許容できない状態• 許容できる・できない負担,苦痛• QOL 医療者は「これでよかった」と思ってもらえる意思決定支援をすることが重要B) 高リスク手術前に価値観を確認するための 質問例 患者・家族 話し合う 意思決定