p.16 抽出テキスト
どを考慮して個別に決定されるべきであり,推奨にすべての医療者,患者が従わなければならないというわけではないことは明記する. d. ステップ4:診療ガイドラインの評価,最終化 3 週間,日本循環器学会の公式サイトに,草案を公開し,パブリックコメントを募集した.さらに,外部評価者により内容の評価をしていただいた.それらをもとに適宜修正した. 1.5 出版 日本循環器学会診療ガイドライン部会の承認を得て最終稿として出版した. 1.6 利益相反(COI) Part 1,Part 2 ともに,日本循環器学会の定める指針に従ってCOI 申告を行った.申告対象は,2019 年から2021年の3 年間について申告を求めた(付表 p.116). 第1章 周術期総論 1 疫学 一般に,外科手術は約10% に周術期合併症が生じ,その粗死亡率は1% 前後に達するとされる7).合併症のタイプとしてはさまざまなものがあるが8),約42% が心脳血管の合併症(心筋梗塞,脳梗塞など)である7).さらに重要なポイントして,心血管系合併症の約半数は予防可能との報告もあり9, 10),近年術前リスク評価や,リスクを軽減させるための系統立てた治療戦略立案は極めて重要であると考えられている. 2 術前マネージメント11) 2.1 術前評価 2.1.1 リスク層別化 本診療ガイドラインは,心血管系のリスクを有する患者の非心臓手術における評価法とそのマネージメントに焦点を置いている.術前循環器評価に求められることは,「手術可否」という,いわゆる循環器クリアランス(Cardiac clearance)より,リスクの層別化とそのリスク軽減策を術前,術中,術後の各フェーズにわたり立案することであることは強調されなくてはならない12). 2.1.2 病歴,身体所見の重要性 これまで疾患歴がなくても,術前の病歴,身体所見でさ Part 1 背景知識と網羅的検索に基づく推奨