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p.14 抽出テキスト

心疾患の評価と管理に関する背景知識をまとめた.各トピックスについて班員,協力員で2020 年9 月30 日までにPubMed に収載されている文献を網羅的に検索し,背景知識をまとめた.それらをもとに班員のコンセンサスを得て推奨を決定した.Part 1,Part 2 で重なる部分に対しては, Part 2 のGRADE システムに基づく推奨も取り入れた. Minds マニュアル2020 によると,システマィック・レビューの条件としては,1.参照した研究に漏れがない,2.採択された研究に偏りがない,3.中立の立場で一定の基準に基づき各研究を評価(1アウトカムに及ぼす効果の大きさ,2効果の確実性),4.結論に評価の結果が反映されている,とある2).Part 2 はこの条件を満たしているが, Part 1 は,Minds マニュアルに則ったプロセスを経ていないため「網羅的な検索に基づく推奨」と表現するにとどめた.推奨基準として,従来の日本循環器学会診療ガイドラインで用いられている推奨クラス分類(表1)とエビデンスレベル(表2)を用いた.

1.3.2 外部評価,最終化

6 人の専門医に査読を依頼した.これらから得られた意見に基づき,適宜修正を行い,日本循環器学会診療ガイドライン部会の承認を得て最終稿として出版した.

1.4 Part 2 の作成プロセス

1.4.1 作成プロセスの概要

診療ガイドライン作成委員会(パネル)は,周術期医療に関わる外科医,麻酔科医,総合内科医,循環器内科医,看護師,薬剤師から構成された.Minds マニュアルでは患者を委員に含めることを推奨しているが4),手術の種類が多く,それぞれの患者を含めることは不可能であり,委員会に患者を含めなかった.システマティック・レビューチーム(SR 班)は,診療ガイドライン作成委員会とは独立したものとした.

パネルによる重要臨床課題の選定,Clinical question (CQ)作成,アウトカムの選定,その重大性の決定を行った.SR 班によるシステマティック・レビューののち,パネル会議にて推奨文,Evidence to decision table を完成し,それに基づきパネリストが推奨解説の執筆を行った.その後,外部委員による内容の査読,パブリックコメントの募集に基づき,適宜,推奨文,解説を改定し最終化した. 1.4.2 作成プロセスの各ステップ

a. ステップ1:重要臨床課題の抽出,

Clinical question 作成パネル会議で6 つの臨床課題を抽出した.それぞれの構成要素をPatient(P),Intervention(I)またはExposure (E),Control(比較対照)(C)として表現した.そのIntervention の益のアウトカム,害のアウトカム(Outcome (O))を抽出した.アウトカムの重大性をパネル会議にて決定した(1 ~9 点で評価).9 点はもっとも重大,1 点は最も重大でない.7 ~9 点を重大なアウトカムと分類し,重大なもののみをシステマティック・レビューの対象とするアウトカムとして採用した.その後,CQ を確定した. b. ステップ2:システマティック・レビュー,

エビデンス総体の作成1 つのCQ に対し2 人のSR 班員が,パネルとは独立して,システマティック・レビューを行った.SR 班員が,検索式を作成,PubMed,Cochrane Library,医中誌にて検索を行った.含める論文基準は,ランダム化比較試験,観察研究(前向き,後ろ向き)とした.症例報告,症例シリーズは除外した.タイトルで判別可能なものは除外し,判断がつかないときは,抄録や論文本文を読み,除外するかどうかを判定した.2 人の医師で独立して行い,一致しない

表1 推奨クラス分類

クラス I手技・治療が有用,有効であるというエビデンスがある,または見解が広く一致しているクラス IIaエビデンス・見解から,有効・有用である可能性が高いクラス IIbエビデンス・見解から,有効性・有用性がそれほど確立されていないクラス III No benefit手技・治療が有効・有用でないとのエビデンスがある.あるいは見解が広く一致しているクラス III

Harm手技・治療が,有害であるとのエビデンスがある.あるいは見解が広く一致している

表2 エビデンスレベル

レベル A複数のランダム化介入試験またはメタ解析で実証されたものレベル B単一のランダム化介入試験またはランダム化介入でない大規模な臨床試験で実証されたものレベル C小規模な臨床試験,後ろ向き研究,登録研究などでの結果,または専門家の間での合意に基づくもの