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p.13 抽出テキスト

改訂にあたって

2013 年に「非心臓手術における合併心疾患の評価と管理に関するガイドライン(2014 年改訂版)」が日本循環器学会から作成された1).それ以降,抗血小板薬や抗凝固薬,その周術期使用に関するエビデンスも増えており,さらに冠動脈疾患の治療に対する考え方も劇的に変化している.並行して大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)などStructural Heart Disease の分野でもさまざまな介入法が出現している.こうした背景をふまえ,これまでに発表されたエビデンスは多いとはいえないが,周術期の背景知識を整理し,推奨作成することが重要と考えられ,今回,全面改訂版に至った.

診療ガイドライン(Clinical Practice Guideline)とは,「健康に関する重要な課題について,医療利用者と提供者の意思決定を支援するために,システマティック・レビューによりエビデンス総体を評価し,益と害のバランスを勘案して,最適と考えられる推奨を提示する文書」と定義される2).世界の多くの診療ガイドラインでは,その作成手法としてGrading of Recommendations,Assessment, Development and Evaluation(GRADE)が用いられている3).そのGRADE アプローチに沿ったMinds 診療ガイドライン作成マニュアル(以下,Minds マニュアル)2020 が日本にも存在する2).本診療ガイドラインは,周術期の全体的なトピックスに対する背景知識や推奨を網羅したPart 1(第1 ~5 章)と,システマティック・レビューに基づきGRADE システムに沿った推奨作成を行うPart 2(第6 章)の2 つのパートから構成される.

1 作成プロセスについて

1.1 診療ガイドラインの目的,利用者,対象者

1.1.1 目的

非心臓手術の周術期(術前,術中,術後)のケアに関わる医師に心血管イベントリスク評価,リスクを減らすため

のマネージメントの診療指針になることを目的とする.

1.1.2 想定される利用者

周術期に関わる循環器内科医,外科医,麻酔科医,総合内科医,総合診療医,看護師,コメディカルが周術期のリスク層別化,リスク軽減戦略を立てる際に活用することを想定して作成した.患者も参考にする可能性も想定した.

1.1.3 想定される利用施設

病院,診療所.

1.1.4 対象者

非心臓手術を受ける成人患者,または,考慮される成人患者.

1.2 ガイドライン使用の注意事項

Part 1 とPart 2 に分けた.Part 1 は,網羅的にエビデンスを検索し,背景的知識のまとめ,推奨作成を行った. Part 2 はGRADE システムに則ったMinds マニュアル

2017 4),2020 2) に基づいて作成した.非心臓手術は,手術

自体の要素も大きく,いろいろな要素を考慮しながら,個々の場面で意思決定が必要である.本診療ガイドラインは,あくまで指針であり,実際の診療を強制するものではない.患者の価値観,家族の思い,施設の状況や経験なども考慮して意思決定されるものである.内容については作成委員,評価員が責任を負うべきであるが,実際の医療の結果に関しては,それを行った医療者に帰属する.また,この内容は医療訴訟の参考資料に使われるものとは想定していない.

1.3 Part 1 の作成プロセス

1.3.1 Part 1 作成プロセス

診療ガイドラインのPart 1 は,非心臓手術における合併