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p.111 抽出テキスト

I 推奨のグレーディング

パネル会議では特に異論がでなかった.修正デルファイ法(RAND 法)を用いて投票を行った.上記,推奨文にて,投票率100%,中央値8,見解不一致指数0.176,同意率(7 以上の割合)100% で承認された. J 関連する他の診療ガイドラインの記載J.1 2020 年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン203)「ワルファリン休薬時にはヘパリン置換が推奨(推奨クラスIIb,エビデンスレベルB)」となっている.ただし,本文中には「一般的にはワルファリンの休薬を要する出血高リスクの外科的手術・処置の際には,ヘパリン置換は不要と考えられる」と記載されている.続けて「機械弁,リウマチ性僧帽弁狭窄といった弁膜症性心房細動でワルファリンを使用している患者や,血栓塞栓症リスクが非常に高い非弁膜症性心房細動患者(3 ヵ月以内の脳梗塞の既往がある, CHADS2 スコアが非常に高いなど)においてはヘパリン置換を考慮するべきである」と記載されている.

本診療ガイドラインでも,血栓リスクが高くないものに限った条件付き推奨としており,矛盾はない.また,「ヘパリン置換が有益であると期待されるのは,CHADS2 スコアが4 点以上かつHAS-BLED スコアが2 点以下の患者に限る,と最近報告されている(Europace 2019 503))」と記載されているが,この引用文献は,マルコフモデルによる解析

である.本診療ガイドラインでは,RCT か観察研究のみを採用するため,システマティック・レビューでは引用していない. J.2 米国胸部学会(ACCP)2012 診療ガイドライン213)

機械弁,心房細動,VTE で血栓リスクが低ければ(CHADS2 点以下),ヘパリン置換しないことを提案する(Grade C).機械弁,心房細動,VTE で血栓リスクが高ければ(5 点以上),ヘパリン置換することを提案する(Grade C).血栓リスクが中の場合,患者,手術で個別化する,と記載されている. K 治療のモニタリング

ヘパリン置換をしないとしたら,特にモニタリングは不要である. L 監視と評価

その施設での周術期の脳梗塞,塞栓症発症率,出血率を評価することを考慮する. M 今後の研究の可能性

日本人でワルファリン服用中患者に対するヘパリン置換の有無でRCT による確認が必要である.対象患者として,心房細動だけでなく肺血栓塞栓症,機械弁でも確認が必要である.