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p.110 抽出テキスト

RCT

観察研究

バイアスリスクのA-P はCQ1 の表61 を参照図37ワルファリン服用中の心房細動患者における非心臓手術術前のヘパリン置換の有無による小出血の比較(Douketis JD, et al. 2015 225), Wysokinski WE, et al. 2008 229) より作成)

個別研究バイアスリスク非直接性研究コードA B C D E F G H I J K L Douketis 2015 0 0 0 0 –1 0 0 –1 –1 0 0 –1

個別研究バイアスリスクグレードを上げる要因非直接性研究コードA B C D E F G H I J K L M N O P Wysokinski 2008 –1 –1 –1 –1 –2 –1 –2 0 0 0 0 –1 –2 0 0 –2

ヘパリン置換ありがよい←· →ヘパリン置換なしがよい

ヘパリン置換ありがよい←· →ヘパリン置換なしがよい

2008 ではCHADS2 2.2 点229)であり,CHADS2 5,6 点は少数である.これら血栓高リスク患者にはヘパリン置換の影響は不明である. D エビデンス総体の確実性

検討されたすべてのアウトカムについて1 つのRCT のバイアスは低いが,結果のRR の95%CI の幅が広く,さらにRCT は1 つであり,1つダウングレードしてB とした.観察研究はC とした.結果は,RCT と観察研究で矛盾がなく,エビデンス総体の確実性はRCT の確実性を採用しB とした. E 患者の価値観

ワルファリンからヘパリンに置換するかどうかに関する患者の価値観のエビデンスはシステマティック・レビューではみつからなかった.

パネルから,以下の意見が出た.ヘパリン置換する場合,わが国では,低分子ヘパリン固定量の皮下注射ではなく,未分画ヘパリンの静注でAPTTモニタによる量調節が必要である.手術前数日の入院,定期的採血が必要で患者の負担が大きい.もしヘパリン置換をしなくて済むならば,患者の苦痛が減り,患者の価値観に沿ったものものと推測する. F コスト

SR では患者視点の費用対効果分析の研究を特定することはできなかった.以下のように患者が支払うコストの概算を行った.ヘパ

リン5000 単位137 円501)とすると,1 日1.5 万単位=410円,5 日間=2050 円.APTT 検査代=29 点,1 日4 回測定するとして290 円4 回=1160 円/ 日,5 日間で5800 円.合計は7850 円で,その30% 負担で約2355 円になる.これに入院費用が加わる.

包括医療費支払い制度方式(DPC)であれば,DPC 点数早見表2020 年4 月版502)による計算となる.もし大腸がんで切除手術術前に5 日間多く入院と仮定して計算する.

DPC 入院費用=日当点×医療機関係数(各病院ごと)×日数医療機関係数を1 とすると, 2809 点×1 × 5(入院日数)× 3(患者窓口負担が3割と仮定)=42135 円(1 日あたり8427 円)(実際は,医療機関係数は1 より大きくなることが多く,これ以上の支払い額となる) G 容認性

日本で保険適用のある未分化ヘパリンであれば,約5 日間の入院と採血があり,患者の容認性は低いことが予測される.医療者への容認性は不明である. H 実行可能性

特別な技術が必要なものでないため,ヘパリン置換の有無にかかわらず,どこの施設でも可能である.