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p.105 抽出テキスト

表69 手術のタイミングに関する,わが国と各国の診療ガイドライン例

作成組織作成またはアップ

デートした年推奨

日本478)日本整形外科学会,日本骨折学会2021なるべく早期に手術を推奨英国23) NICE 2017入院日または翌日に手術を推奨米国493)整形外科学会2015入院した日に手術カナダ494) Health Quality Ontario & Ministry of Health and Long-Term Care 2013なるべく早期に手術.来院後48 時間以上延期しないことを推奨オーストラリア495) Med J Aust 2010内科的な問題の評価,適切に安定化したら直ちに早期手術(24 ~36 時間以内)をほとんどの患者に推奨(大腿骨頚部/ 転子部骨折診療ガイドライン2021. 2021 478), NICE. 2017 23), Roberts KC, et al. 2015

493), Health Quality Ontario & Ministry of Health and Long- Term Care. 2013

494), Mak JC, et al. 2010 495) より作表)

表70 高齢者大腿骨骨折患者によくみられる合併疾患

貧血抗凝固薬脱水電解質異常コントロール不良糖尿病急性心不全治療が必要な不整脈急性肺炎慢性肺疾患の急性増悪(National Institute for Health and Care Excellence (NICE). 2017 23)より作表)

A 背景,この問題の優先度

心房細動など抗凝固療法施行中の患者の15 ~20% が観血的手技や手術を受ける496).その際,出血の懸念のため抗凝固療法を中止すると血栓症のリスク,継続すると出血リスクが懸念される496).その中で,ワルファリンによる抗凝固療法症例に対して,術前にワルファリン中止中にヘパリンを投与し,抗凝固療法の中断期間を最小にするヘパリン置換が行われることがある.これは周術期の塞栓症イベントのリスクを低減させる目的で行われるが,術直前までの抗凝固療法は,周術期の出血性合併症のリスク増大の懸念がある.心房細動でワルファリン治療中の症例で非心臓手術の際にヘパリン置換を行うべきかどうかを検証することは重要である.

る」としている.

その他,カナダ494)やオーストラリア495)でも早期手術を推奨している.このように一貫して早期手術が推奨されている. D 大腿骨近位部骨折に対する手術のタイミング

早期手術により,1早期に疼痛を改善し,せん妄や褥瘡,感染症といった合併症発症率を低下させる,2入院中の医療費を減らす,3機能予後を改善させる,4長期死亡率を低下させる.日本整形外科学会診療ガイドライン2021 478)が推奨しているように「なるべく早期に手術」する73)ことが重要である.術前評価を依頼された内科医も,これらを認識し,整形外科医と連携することが重要である. CQ 6心房細動でワルファリン服用中の患者が非心

臓手術を受ける場合,術前にヘパリン置換は推奨されるか?

心房細動でワルファリン服用中の患者が非心臓手術を受ける場合,血栓リスクが高くない場合(CHADS2 スコア4点以下),術前にヘパリン置換を行わないことを提案する(GRADE 2B).(推奨の強さ「弱い推奨」/ エビデンスの確実性「B」)付帯事項CHADS2 スコアが,5 点以上(血栓症リスクが高いグループ)では,出血リスクが高くなければヘパリン置換が考慮される.4 点以下でも,他の血栓リスクがある場合,たとえば,繰り返し塞栓症の既往がある,などではヘパリン置換を考慮する.

推奨