GL検索 v0.1.0
画像は 104 ページを描画したものです
page 104

p.104 抽出テキスト

ント,静脈血栓塞栓症など)は有意に減少せず,48 時間以内でマイナーな合併症は減少した.24 時間,36 時間,48時間以内に手術をすると褥瘡発症率が減少するとした. B.4.2 Klestil SR

22)

肺炎,尿路感染症も48 時間以内手術群で減少したが, 72 時間,24 時間,6 時間以内では減少傾向になったが,有意差はなかった.深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症は,72時間,36 時間,24 時間以内に手術すると減少傾向にあるものの有意差はなかった.褥瘡は,72 時間,48 時間以内に手術すると減少すると報告された(それぞれRR 0.52 (95%CI 0.29-0.93),RR 0.57(95%CI 0.44-0.72)).24 時間,6 時間をカットオフとした場合は有意差が認められなかった. B.4.3 HIP ATTACK trial 491)

6 時間以内の手術で,6 ~24 時間手術に比べ,肺炎やその他の感染症には差がなかった.90 日以内に脳梗塞は減少(0.3% vs 1%,HR 0.35(95%CI 0.13-0・97),せん妄も減少した(9% vs 12%,HR 0.72(95%CI 0.58-0.92).褥瘡発症率は有意差がなかった. B.4.4 まとめ

早期手術で,感染症,褥瘡やせん妄は減少するようであ

カットオフアウトカム結果 括弧内は95%CI早期手術の影響エビデンスの

確実性研究

せん妄6 時間せん妄早期手術 vs 遅延手術9% vs 12%, HR 0.72(0.58- 0.92)低下非常に高いHIP ATTACK 491) OR: odds ratio, RR: risk ratio, HR: Hazard ratio, SR: systematic review (NICE. 2017

23), Klestil T, et al. 2018 22), Orosz GM, et al. 2004 479), HIP ATTACK Investigators. 2020 491) より作表)

図32大腿骨近位部骨折の早期手術と疼痛の関係(A:Orosz GM, et al. 2004 479)より作図,B:HIP ATTACK Investigators. 2020 491)より作図)

A)  高度〜非常に高度の疼痛患者B)  中等度〜高度疼痛患者

1 日目2 日目3 日目4 日目5 日目1 日目2 日目3 日目4 日目5 日目6 日目7 日目

80 70

60 50

40 30

20 10

0 60 50

40 30

20 10

0 * ** * *

6 時間以内手術群54 55

49 51 42 45

6 時間以降手術群24 時間以内手術群24 時間以降手術群% %

34 38 28 32 22 25 16 19

70 55 39 58 23 39 30 19 8 19 *P<0.05,**P<0.01

表68 大腿部近位部骨折の早期手術の影響に関する研究結果(続き)

る. B.5 日本での手術のタイミングとコスト

大腿骨近位部骨折に対し早期手術をすることで30 万円軽減したと報告され488),コスト面からも早期(2 日以内の手術)はメリットがあることが示された. C わが国と各国の診療ガイドライン(表69) C.1 わが国の診療ガイドライン

日本整形外科学会,日本骨折学会の「日本整形外科学会診療ガイドライン 大腿骨頚部・転子部骨折診療ガイドライン2021 年」では.明確な時間の記載はないが,できるかぎり早期の手術が重要とされている

478). C.2 英国NICE 大腿骨骨折診療ガイドライン23)

来院した日または翌日に手術することを推奨している.そのために,高齢者大腿骨骨折でよくみられる合併症(表

70 23))を素早く評価,治療し,翌日までに手術ができる状

態にすることの重要性が記載されている. C.3 米国整形外科学会高齢者大腿骨骨折診療ガイドライン2015 493)

高齢者の大腿骨近位部骨折は,入院した日に手術することを推奨している.その根拠として,「48 時間以内の手術によりアウトカムが改善するエビデンスがある程度存在す