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p.92 抽出テキスト

価,壊死腸管切除などが含まれる.一方EVTには,血栓吸引,血栓溶解療法,狭窄部に対するステント留置などが含まれる.血行再建前後の腸管のviabilityの直視下確認や逆行性ステント留置などの観点から両者を組み合わせたハイブリッド治療も有用である.塞栓症に対しては開腹外科的治療とEVTの治療成績はほぼ同等であるが,血栓症の場合にEVTの成績が優ると報告されている859–862).

腸管壊死の判断が困難な場合もあり,EVT症例においても開腹して腸管のviabilityの確認が必要となる場合も多い.開腹術後においても腸管虚血の有無を確認するために初回手術後24~48時間後のsecond look operationを考慮する860–863).

2 NOMI

NOMIは,器質的な血管閉塞は存在せず,主幹動脈の開存にもかかわらず,腸管虚血をきたし腸管壊死にも至る予後不良な疾患である.心不全,ショック,脱水,維持透析,周術期低拍出量症候群などが誘因となる場合が多く864–867),低灌流状態が一定期間持続すると末梢辺縁動脈の交感神経が反応して血管攣縮を引き起こし,腸管虚血が生じる.

2.1 診断

表55 非閉塞性腸管虚血症(NOMI)の診断の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

低心拍出量例や心原性ショック例,血管収縮剤が投与されている症例では,臨床症状から診断としてNOMI を考慮する868, 869). IIa C NOMI が疑われる症例では最も信頼できる診断検査法としてCTA や血管撮影を考慮する870). IIa C NOMIは循環不全状態で発症するが,積極的に疑わないと診断できない868, 871).意識状態が悪い場合には腹痛を訴えず診断が遅れる.基礎疾患を治療しても速やかに改善が見られない患者には,CTA(CT angiography)や血管造影を行う.血管造影では特徴的な血管の攣縮が描出でき869),血管拡張薬を動脈内に直接投与することが有用な場合がある870). 2.2 治療

表56 非閉塞性腸管虚血症(NOMI)の治療の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

重症なNOMI 症例は,血管拡張剤の動注,腸切除などの開腹手術を行うことが可能な環境において治療を行う870). I Cまず循環不全状態を改善することが重要である.血管造影による確定診断後,留置カテーテルから血管拡張剤を投与して腸間膜動脈血流の改善を図る870).1血管閉塞がないため直接修復できない,2早期の腸切除は高率に縫合不全を生じる,3麻酔や手術によって循環不全を助長し増悪させることがある,などから発症早期の手術適応はないことが多い.しかし腹膜刺激症状を認める症例や発症後12時間以上の症例では腸管壊死の可能性が高く,広範囲の腸管切除に至ることが多い.内科的治療を行っても腹部症状が持続する際には速やかに開腹術や腸管切除が推奨される869, 870)が,予後は極めて不良である.

3 慢性腸間膜動脈閉塞

腹腔動脈(celiac artery: CA)や腸間膜動脈には動脈硬化に伴う狭窄・閉塞病変がしばしば認められるが,CA, SMA,下腸間膜動脈(inferior mesenteric artery: IMA)それぞれの間のネットワークによって血流が維持されるために慢性腸管虚血の臨床症状が出現することはまれである.慢性腸管虚血は女性にやや多く,40~60歳に好発し,典型的な症状は食後の腹痛,体重減少,便通異常である.脳心血管系疾患の既往を有し,冠動脈や下肢末梢動脈バイパス手術を既往に有する患者が多い1).

3.1 診断

表57 慢性腸間膜動脈閉塞の診断の推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

慢性腸間膜動脈閉塞の初期診断にはUSを行う872). I B